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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】午前3時からつきっきり…あり余る“熱意”で認められた女性杜氏・大塚真帆さん (1/2ページ)

★京都府 招徳(下)

 京都・伏見の招徳酒造は、現当主の木村紫晃社長で14代目となる老舗だが、伝統を守りながらも、柔軟な発想で蔵を経営している。社長自ら、大学生に日本酒をレクチャーしたり、日本酒好きな外国人を蔵人として雇ったり。現在の杜氏、大塚真帆さんが蔵の門をたたいたのは、大塚さんが大学院を修了する2000年のことだった。

 大塚さんは、大学時代に日本酒にハマり、「酒づくりがしたい!」といろいろな蔵へアプローチしたが、女性であることに難色を示し、どこの蔵も良い返事はくれなかった。しかし、木村社長はちょっと違った。同じ京大農学部出身という縁と、ちょうど分析担当の女性が退職するタイミングもあり、大塚さんを雇い入れたのだ。

 ところが入社してみると事務仕事のかたわら、分析や瓶詰めをする日々。酒づくりの時間は、1日2時間程度しか与えられない。そこで、やる気満々の大塚さんは、なんと午前3時に出社。泊まり込みの杜氏につきっきりで、麹の手入れや酒母づくりを手伝わせてもらった。

 翌年、杜氏が高齢で引退すると、誰も酒母づくりができないので、必然的に大塚さんが酒母担当に。その後も次の杜氏について修業し、やがてその杜氏も引退。社員だけで酒づくりをすることになった時には、大塚さんがリーダーになっていた。

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