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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】悪友が手掛けた「まるで紅茶かほうじ茶か」 江戸東京ビール (1/2ページ)

 東京のミニブルワリー・バブルの昨今、旧知の悪友までクラフトビール事業に乗り出した。田原千くんは、20代の6年間、世界中を放浪し、海外で生活していた旅人だ。帰国して、子供ができたことをきっかけに日本に定住。今は日本各地で、10軒のゲストハウスを経営する起業家になっている。

 住吉にほど近い「オンタップ」(東京都江東区千田)というブルワリーパブは、木造の一軒家を丸ごと借り、千くんが手作りでリフォームした。カウンターの椅子は、鉄を溶接して作ったので、ものすごく重いが安定感もハンパない。併設のビール工場は、醸造設備こそカナダ製だが、施工は千くん。広い冷蔵庫は、通常150万円以上するアルミ製ではなく、結露の心配がないウレタンを使い、ホームセンターの材料だけで作ったので、20万円程度でできた。

 こうした技術は、ゲストハウスをリフォームする中で培ったというが、もともと陶芸教室を主催するなど、モノづくりが好きだった千くん。クラフトビールづくりへ向かったのは、必然だったのかもしれない。

 ここで実際にビールをつくっているのは、高(たか)浩嗣さん。ビアジャッジの資格を持ち、アジアビアカップの公式審査員を務めるなど、ビールマニアではあったが、ブルワーとしてはまったくの素人だった。開店前に3カ月ほど他のブルワリーで研修し、その後、文献やネットの情報だけで、自分なりのレシピを完成させたという。

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