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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「この一年」》時間を大切に

 この秋、父ががんと診断されました。日本人の2人に1人がなる病気。5年生存率も年々上がり、「がん=死」という時代ではありません。今まで医療記者としてそうした情報を発信し続けてきたつもりですが、いざ身内がなってみると、心配がつのるものです。

 入院して薬物治療、退院したと思ったら、また入院して薬物治療。その繰り返しに、本人より家族が疲弊していきます。格段に効く薬が出たとはいえ、がん細胞もしかるもの、徹底して薬でたたき再発を防止する過程で体が受けるダメージは相当なものです。

 幸い今のところ順調とのことですが、高齢ということもあり慎重に治療が続いています。何とか年内に治療を一段落させ、自宅でゆっくりと新しい年が迎えられるようにがんばってくださる医療機関の人たちには本当に頭が下がります。

 身内の心配をしていると、今度は同級生から、がん検診に引っかかり精密検査をしてきたとの知らせ。「2人に1人」の意味を実感しながら、いつ何が起きるか分からないなと思う師走です。

 そういえば最近、大塚製薬の乳酸菌飲料のテレビコマーシャルが妙に心に刺さりました。「成功のために必要なものは、努力か? 才能か?」という男性の問いに対して、女性が「まずは体調でしょ」と返す。ここが「健康」でなく「体調」であることに、なるほどなと思ったのです。

 残念ながら、「健康」はお金で買えないし、病気を抱えながら生きていく人も多くいます。最近は、がんなどの病気の治療と仕事を両立させられる働き方が企業の課題となっています。「健康」であることは成功の条件ではない。しかし「体調」を整えることは大事である、というCMのメッセージは、実に現代らしいものです。

 入院中の病室から富士山が見える、と父からメールが届きました。私にできることは、ともに生きる時間を大切にすること、そしてその時間が少しでも長くなるよう祈ること。年末年始は実家に帰ろう。この1年、生きてこられたことに感謝しながら。(み)

 演劇大好きなアラフォー根無し草。最近、階段を上ると息が切れるようになり、足腰を鍛える大切さを実感しています。

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。12月のお題は「この一年」です。