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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】原料からサービスまで! 蔵元が手掛ける「6次産業化」 愛知県「蓬莱泉」 (1/2ページ)

 銘酒「空(くう)」で知られる関谷醸造(愛知県設楽町)は、15年前から本社蔵のほかに、吟醸工房でも酒づくりをしている。ここは個人で小ロットのタンク買いができるユニークな蔵。米、酵母、搾り方などを指定し、仕込み体験つきで自分好みの酒がつくれる。酒販店や飲食店だけでなく、酒通のグループにも大人気で、年間230本のタンクを仕込んでフル稼働中だ。

 吟醸工房と同時期にスタートしたのが、アグリ事業部だ。地元農家の高齢化で、耕作放棄地が増え、酒づくりのための原料確保が難しくなったことがきっかけだった。徐々に増やした自社栽培田は、現在27ヘクタール。早生の夢山水、中間の千代錦、晩稲のみねはるかという3種類の酒造好適米を育て、自社米の使用比率は15%にもなる。そのほぼすべてが一等米だというからすごい。

 取材した日は、ちょうど新しいトラクターが納品されていた。ドラマ「下町ロケット」にも登場した、GPSつきの最新鋭機。昼夜問わず、24時間自動運転で稲刈りもできる優れものだ。昨年は、優良な農業経営に与えられるGAP認証の国際基準をクリア。今年のオリンピック・パラリンピックに食材を供給するには、GAP認証が必要で、酒蔵で持っているのは唯一関谷醸造だけ。無農薬・無化学肥料にもチャレンジ中で3年後の有機認証を目指している。

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