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【食と健康 ホントの話】生きた乳酸菌で腸内の悪玉菌が増えにくくなる (2/2ページ)

 腸管切除後等の栄養管理に詳しい昭和大学病院外科学講座小児外科の千葉正博准教授は、「善玉菌を食べて、食物繊維やオリゴ糖などの善玉菌のエサを食べていれば、善玉菌がお腹の中でどんどん増える、ということはありません」と実態を明かす。

 確かに乳酸菌やビフィズス菌などの入ったヨーグルトなどの健康食品は、毎日摂ることが推奨されている。どんどん増えるのであれば、一定期間食べ続けたのちに止めていいはずだ。

 「摂取した善玉菌は、一時的に腸の中にコロニー(細菌の塊)を形成しますが、すぐに便とともに排泄されます」

 それでも、善玉菌とそのエサとなる食物繊維等を摂り続けるメリットは、善玉菌が短鎖脂肪酸などの有機酸を生成することによって、次の2つの働きを得られるからだと千葉准教授は言う。

 一つは、腸内のpHが酸性になり、悪玉菌が増えにくくなるため。そしてもう一つは、短鎖脂肪酸が腸の粘膜上皮のエネルギー源になるため、腸の働きがよくなるためだ。

 腸の働きといえば、近年は腸管免疫が注目されている。2019年に大阪大学の研究グループが、乳酸菌等の腸内細菌が産生する乳酸・ピルビン酸が、自然免疫細胞のマクロファージの樹状突起を小腸上皮の間から伸ばすことを誘導して、細菌を捕捉することを発見。さらに、サルモネラ感染マウスの生存率を調べて、無投与群と比較すると、乳酸・ピルビン酸投与群で有意に生存率が高いことがわかった。

 次回は、死菌の効果について。(医療ジャーナリスト 石井悦子)

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