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【ここまで進んだ最新治療】人工透析を回避させるために「LDL吸着療法」で血液を浄化 血中の悪玉コレステロールを除去 (2/2ページ)

 LDL吸着療法が検討される糖尿病性腎症は、中等度以上の尿タンパクを伴い、薬物療法を行っても悪玉コレステロール値が改善しない症例だ。

 「LDL吸着療法は単にLDLを除去するだけでなく、血管の炎症を抑える、酸化ストレスを抑制する、血液をサラサラにする、動脈硬化の改善など、多面的な効果が報告されています。それにネフローゼ症候群を伴う糖尿病性腎症には心不全の合併が多いので、生命予後が延びることも分かっています」

 具体的には入院して行う。患者の頚部かソケイ部(太ももの付け根)にカテーテル(細い管)を留置して、専用の機器で1分間に100cc前後の速さで血液を取り出し、血球成分と血漿(けっしょう)成分を分離した後、血漿成分に含まれるLDLを吸着・除去して、きれいになった血液を再び体内に戻す。1回にかかる時間は2~3時間。医療機関によって異なるが糖尿病性腎症の場合、これを週2回、5週間にわたり10回行うという。

 「改善度は個人差が大きいですが、むくみはほとんどなくなります。尿タンパクが10分の1、LDLが半分に減る場合もあります。ただし、半数の患者さんは2~3年のうちに再び進行します。効く患者さんでは、透析が避けられる可能性は大いにあると思います」

 早く保険適用になることを期待したい。(新井貴)

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