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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】仕込みでわかる蔵の「本気度」 栃木県・鳳凰美田 (2/2ページ)

 蒸し米は和釜と甑を使い、スコップで掘り出す伝統的なスタイルだ。それを放冷機に通すのだが、風を送るファンのうるさい音が全くしない。麹米はほとんど冷やさないのがこの蔵のつくりなのだ。

 麹は通常2日のところ、3日かけてつくる。そのため麹室は、引き込み用の広い部屋、盛り用の狭い部屋、仕舞仕事用のやや広めの部屋に分かれている。仕込みは貯蔵もサーマルタンクで、タンクごとに温度管理を徹底。搾りは1回ごとに洗浄できる佐瀬式の最新型で、酒に雑味を残さない。

 つくりを指揮するのは、東京農大出身の蔵元杜氏。そして岩手県工業技術センター出身の奥様が、酒質の設計をしている。鳳凰美田はこの2人の二人三脚で、わずか100石からスタートした酒だった。

 ■江口まゆみ 酔っぱライター。世界中の知られざる地酒を飲み歩き、国内でも日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーのつくり手を訪ねる旅を続ける。大人気のラブコメ漫画『酒と恋には酔って然るべき』(秋田書店)の原案を担当。

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