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【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】“マスク予算”446億円でも造船可能! 日本でも病院船の建造検討を

 いまから9年前に日本には病院船が必要ということを取り上げたことがあります。当時は東日本大震災が発生した直後で、大震災が起きたときに病院船があったらいろいろな対応がとれるという意味で書いたことを記憶しています。

 今回、新型コロナウイルスの大流行が発生したことで、改めて病院船の必要性を痛感しています。病院船などというと戦争のイメージがありますが、病院船は大災害が起きたときだけでなく、今回のような感染症の大流行が発生したときにも利用することができます。

 アメリカには大型の病院船が2隻あります。今回、ニューヨークで発生した新型コロナウイルスの流行でも、そのうちの1隻「コンフォート」がニューヨークに急行し、新型コロナウイルスの感染者のベッドを確保するために、救急医療を中心とした通常の医療を行っています。

 阪神淡路大震災や東日本大震災のときにも倒壊を免れた病院がありましたが、そうした病院も水が供給されなかったり、電気がこなくて治療や手術ができないというケースがたくさん発生しました。

 もし1000床の収容能力がある病院船が1隻でもあれば、こうした混乱を少しでも避けることができたはずです。大学病院なみの規模と設備をもった病院船があったら、大震災の災害医療だけでなく感染症の大流行にも役に立ちます。

 国土の四方を海に囲まれている日本に、病院船が1隻もないということは、よく考えてみれば不思議なことです。船内に収容した患者さんの治療ができるだけでなく、病院船には医療機器や薬品を備蓄、格納しておけるというメリットもあります。

 今回、マスクを2枚ずつ配布するために使った446億円があれば、病院船が1隻できます。今回の流行が終息したら、日本の政府も本気で病院船を建造することを考えるべきではないでしょうか。(西武学園医学技術専門学校 東京池袋校校長・中原英臣)

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