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【腎臓病最新治療リポート】「腹膜透析」など個別化医療の時代へ 患者の治療への積極参加が不可欠 (1/2ページ)

 人間は腎臓なしでは生きていけない。腎臓の機能が低下したら、何らかの形でその機能を代替する必要がある。治療法はいくつかあるのに、日本では人工透析、しかも機械を使って行う「血液透析」が大半を占める。治療の選択に患者の意見は反映できないのだろうか。

 慢性腎不全の治療法には、腎移植と人工透析の2種類があり、人工透析には機械を使って血液をろ過する「血液透析」と、患者の腹腔に透析液を入れて、腹膜越しにろ過をする「腹膜透析」の2種類がある。

 ドナーが少ない日本では人工透析の比率が高い。しかし、人工透析の中で、時間と手間のかかる血液透析が97%を占め、患者の生活の質が高く保てる腹膜透析のシェアが2~3%という状況は、いかがなものだろう。

 「腹膜透析の進化を理解していない医師が多いことが、理由の一つ」と語るのは江戸川病院(東京都江戸川区)泌尿器科部長の古賀祥嗣医師。

 「今から30年前の腹膜透析は、酸性の透析液を使っていたので、腸の癒着などの合併症のリスクが高かった。しかし近年は中性の透析液が使われるようになり、安全性は格段に高まった。ただ、昔のイメージで腹膜透析を見ている医師は少なくない」

 ちなみに古賀医師は、この10年間で300人以上の患者に腹膜透析を導入してきたが、硬化性腹膜炎を起こしたケースは1例もないという。

 「透析治療が必要と判断されたときに、いくつかの治療法があることを提示しない医師もいる。選択肢を示すには、それぞれの治療法に精通している必要がありますが、血液透析にしか興味がなければ、血液透析の話しかできない。患者は選びようがないのです」(古賀医師)

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