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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】歯周病と全身疾患の関係を研究 広島大学大学院医系科学研究科教授・宮内睦美さん (1/2ページ)

 病理学とは、病気の原因や仕組みを解明する学問。患者の体から採取した組織を元に病気を診断し、治療につなげる役割も担っている。

 医学だけでなく、歯科領域にも病理学は存在する。その分野で活躍するのが広島大学大学院医系科学研究科の宮内睦美教授。

 口腔病理学というと、口腔や顎、顔面の病気を研究することが多いが、宮内教授の研究対象は少し異なる。

 「歯周病が関与すると思われる全身疾患との関係を調べています。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)や早産、心血管系疾患、糖尿病、アルツハイマー型認知症など、一見“口腔疾患とは無関係”と思われる病気が、じつは歯周病が原因や増悪因子になっていることが分かってきたのです」

 宮内教授の勤務する広島大学は、歯学部と医学部の「風通しのよさ」が特徴だ。医科系の医師や研究室とタッグを組んで、これまでわからなかった病態の解明に力を入れている。

 「たとえば、脂肪肝のマウスを歯周病にすると肝硬変のような像が現れ、肝臓から歯周病菌が検出される。このような現象は大腸菌で報告されていました。そこで歯周病菌でもと考えたわけです。最近では、歯周病を治療することで肝機能も改善することもわかってきました。そうしたミッシングリンク(つながりの欠けた部分)を科学的に裏付けるのが私たちの役割なのです」

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