記事詳細

【暗黒大陸を照らす光 膵臓がん治療最前線】膵臓がん患者、炭水化物摂取による体重増加で延命 体力があれば抗がん剤の使用可能に (1/2ページ)

 切除不能の膵臓がん患者の生存期間は平均で1年ほどと言われているが、6カ月もたない方もいれば、2年以上生き永らえる方もいる。両者の違いは何か。進行の速さや抗がん剤の効き具合のほかに、考えられるのが化学療法に耐えていくための体づくりだ。

 糖尿病患者に個々の重症度に応じた糖質制限を治療に取り入れている灰本クリニック(愛知県春日井市)では、膵臓がん患者に対して炭水化物と脂質の摂取を促す。同時に、膵臓がん患者の多くが糖尿病を発症することをきっかけに、インスリン療法を導入し、体重の維持・増加に努めている。

 「化学療法を続けていくための大前提が体重です。さいわい、今の抗がん剤はある程度効きます。だから体重を増やして体力をつけておけば、耐性がついて薬が効かなくなったりしない限り、使い続けられます」と灰本元医師は指摘する。

 糖尿病をはじめ生活習慣病の食事療法はいかに肥満を改善するかが大きなテーマ。しかし、膵臓がん患者では、糖質およびカロリーが多い脂質を同時に摂取させ、インスリンの作用で余った血糖を脂肪細胞に変化させて、太らせるという真逆のことを行っているわけだ。

 きっかけは、手術はできたものの、がんを取り切れなかった患者にこの食事療法を試し、4年半の延命が図れたこと。続いて切除不能の膵体部がんを患った67歳の女性に実践してもらったところ、化学療法を2年間継続し、2年半延命することができた。

関連ニュース