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これからは旅館も週休3日! 宿泊業界に働き方改革の波 労働環境見直しで求人&給与UP

 年中無休のイメージが強い旅館やホテルで週休3日制導入など、働き方改革の動きが出ている。外国人観光客の増加や2020年東京五輪・パラリンピックに向け宿泊業界は活況だが、長時間労働が敬遠され、人手不足は深刻。労働環境の見直しで、優秀な人材確保につなげる狙いがあるというが…。

 「月、火、水は宿泊がお休みになります」。将棋、囲碁のタイトル戦の舞台にもなっている神奈川県秦野市の旅館「元湯 陣屋」は週3日、宿泊客を取らない。

 09年以降、紙の予約台帳を廃止するなど業務を一元管理するシステムを採用。さらにフロント係はフロントだけ、清掃係は清掃だけというこれまでの分担を変え、1人がさまざまな業務に対応できるようにした。結果、正社員20人、パート・アルバイト100人の体制から、正社員27人、パート・アルバイト15人に減った。

 元々は無休営業だったが14年に週2日の定休日を導入。初日は前日宿泊客のチェックアウトがあり半休になるため、週3日の休みとした。順調だった収益が14年は頭打ちになったが、現在は安定して伸びているという。

 総人件費が減り、1人当たりの給与も上がった。社員の平均年収は09年度は288万円だったが、17年度は408万円に増加。宿泊・飲食業の平均年収253万円に比べると高い水準だ。改革に取り組むおかみの宮崎知子さん(41)は「離職率が下がり、採用選考への応募も増えた」と話す。

 従業員はイヤホンを着け、スマートフォンやタブレットを持ち、情報を共有する。

 入社2年目の遠藤智織さん(24)。フロントや宴会の窓口をこなすが「手が足りない」と要請があると、素早く清掃や接客にも回る。「休みがなく、給料が少ないのが旅館やホテルで働く現実だと思っていたのでこれほどプライベートの時間が持てるとは思わなかった」と話す。今年1月には3連休で大阪、京都に旅行した。

 大分県別府市の老舗ホテル「別府 杉乃井ホテル」は、年末年始の繁忙期を終えた今年1月、10日連続で休業した。約800人いる従業員全員が長期休暇を取得できるようにするのが目的。昨年も10日連続で休業し、売り上げは減少したものの、今春入社の採用活動で応募者が前年の約1・5倍に増えたという。

 サービス産業の働き方に詳しいリクルートワークス研究所の城倉亮主任研究員は「宿泊業は高齢化が顕著で、今後さらに人手不足に陥る恐れがある。業務の効率化、IT化などを通じて仕事の見直しを進めることが不可欠だ」と指摘している。

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