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《zak女の雄叫び お題は「選ぶ」》経営者を選ぶのは株主だ! LIXIL総会で株主主導が鮮明に

 3月期決算企業は6月下旬、一斉に株主総会を開く。今年は例年になく見どころが多く、証券担当記者にとってはおもしろい「総会シーズン」だった。株主が総会の流れに及ぼす影響力が拡大したことが大きい。コーポレートガバナンス(企業統治)強化の動きや機関投資家の行動指針「スチュワードシップ・コード」の導入を背景に、企業と株主の関係に緊張感が出てきたためだ。

 今年話題になった株主総会といえば、カルロス・ゴーン被告の事件に揺れる日産自動車、新旧経営陣が主導権をめぐって激突したLIXIL(リクシル)グループ、役員報酬制度などをめぐって会社と海外投資ファンドが対立したJR九州、情報漏れで行政処分を受けた野村ホールディングス(HD)、巨額買収を判断した経営トップの責任が問われた武田薬品工業、賃貸アパートの施工不良問題が発覚したレオパレス21-と、枚挙にいとまがない。

 このうちリクシルの総会では、いったんは最高経営責任者(CEO)の座を追われた瀬戸欣也氏が取締役として再任され、見事にCEOへの復帰を果たした。所用時間が5時間近くに及んだことも話題となった。

 リクシルは新旧経営陣がそれぞれ取締役選任議案を提出。海外機関投資家に大きな影響力を持つ米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は瀬戸氏の取締役再任に反対を表明。一部の国内機関投資家が賛成に回ったことで、瀬戸氏は賛成率53・71%とすれすれのラインで再任された。

 従来は会社側が提案したトップ人事に株主が異を唱えることは珍しかった。今年はリクシル以外にも、日産や野村HDのように取締役の賛成率が低下するケースが散見された。「株主が取締役を選ぶ」という構図が徐々に浸透してきたといえそうだ。

 今年は株主が議案を出す「株主提案」の件数も過去最多を記録。株主提案や総会での質問内容をみても、今後の成長戦略や社外取締役の役割、役員報酬の決め方など、(誠に失礼ながら)企業価値の向上に関するまともなものが多い。

 ある機関投資家は「“シャンシャン総会”が当たり前だった時代はいかに質問を少なく、いかに短く終わるかを競っていたぐらいだ」と昔を振り返る。

 今は大企業のトップであっても、株主一人一人に真摯に向き合わなければ即座にはじかれてしまう。緊張感のある経営が日本企業の価値を高め、日本経済の成長につながることを期待したい。

 株主総会開催日の分散化が積年の課題となっている。働き盛りの世代や地方在住者にとっては、週末や午後開催の方が会場に足を運びやすい。証券会社はこうした問題に率先して取り組むべき立場だが、ある大手証券会社は週末開催から平日開催に変更するなど、“逆行”した動きがみられる。理由は株主総会に従事する社員の「働き方改革」だ。株主の出席率向上と社員の働き方改革と、相反する課題に挟まれ、悩ましいところだ。(B)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。7月のお題は「選ぶ」です。

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