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【定年後・自走人生のススメ】シニアが“脳を鍛える”を考える 50代シンドローム克服も

★川島隆太博士に聞く(上)

 「脳はいくつになっても鍛えることができる」と語るのは、川島隆太博士。東北大学と日立ハイテクノロジーズのジョイントベンチャー「NeU」(長谷川清代表取締役CEO、東京都千代田区)で、取締役CTO(最高技術責任者)を務めるとともに、東北大学加齢医学研究所所長としてもご活躍中だ。

 通常、脳の「認知機能」は20代をピークに低下すると言われている。ところが、様々な脳のトレーニングにより、どの年代においても認知機能の維持・向上ができることが証明されている。さらに、川島氏らは、脳のトレーニングで「脳の体積」が増えることも証明した。脳の体積が増えるということは、情報処理能力や判断力、予測力、集中力、新しいことを考え出す力までもが向上することを意味する。

 定年後研究所では、役職定年や出向、配置転換などを経験した50代会社員のモチベーションが下がったり、「もはやこれまで…」というあきらめの気持ちが強くなる現象を「50代シンドローム」と呼んでいる。体力や能力に衰えを感じ始める50代以降の会社人生に悩みを持つ読者諸氏も多いのではないだろうか。

 この点について川島氏は次のように語ってくれた。「私は『50代シンドローム』の原因には、社会的なものと肉体的なものがあると思います。そのうち肉体的なものには『更年期』の問題があります。男性でも、男性ホルモンの分泌が極端に減ってきて、これが精神の不安定な(うつ)状態を作り出します。これがタイミング的に社会的要因とともに総合的に出てくる時期と重なっていることが考えられます」

 さらに「脳トレをすると、認知機能を向上させるだけでなく、やる気という『前向きな気持ち』も出てくるのです。これはデータで実証されています」と、50代シンドローム克服のヒントをいただいた。

 定年後研究所で開発中の「キャリア・ラーニング・システム(CLS)」は、自己認識できていない性格特性を、セルフラーニング(Eラーニング)によって発見することにより、新たな能力や職域拡大のきっかけを創るものだ。

 川島氏は「定年後研究所のCLSも、自分に気付かせて未来へ意識を向けさせるというのがポイントだと思います。まさに『やる気』の問題なんですね。CLSが目指しているのは、『内面に気付かせる』という心理学的アプローチです。私たちの脳トレは、脳という『器を鍛えなおす』というアプローチです。手法は違っていても、実は出口は共通しているので、おそらく相乗効果は期待できるだろうと思います」とも語ってくれた。

 定年後の自走人生に向けての一歩を踏み出す「やる気」を起こすため、川島氏が開発された脳トレ「アクティブ ブレーン クラブ」について次回詳しくお伝えする。

 日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』(https://www.teinengo-lab.or.jp)を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。

 ■得丸英司(とくまる・えいじ) 「一般社団法人定年後研究所」所長。(株)星和ビジネスリンク取締役専務執行役員。1957年生まれ。日本生命保険で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。

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