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【ABS世代が「シニア」を変える】アンチエイジングより一歩進んだ「アクティブエイジング」のススメ 生きるほどに美しく

 「ジェロントロジー」という学問をご存じですか? 「老人」を意味するギリシャ語のgeronに「学問」を意味するlogyが連結した言葉で「老年学・加齢学」と言われています。

 私(鈴木)は昨年から今年にかけてジェロントロジーを学びました。その理由はABS世代の理論やライフスタイル提案の学術的根拠になる内容だからです。

 ジェロントロジーとは、20歳から始まる人間の老化の仕組みを知ることで、逆に老化を遅らせて健康寿命を延ばし、いかに生活の質を高めるかというテーマを、医学、生物学、脳科学、社会学、心理学など学際的に捉えて学ぶ学問で、欧米では数多くの大学に学部があります。

 私が学んだのは、世界で初めてジェロントロジー学部を設置した南カリフォルニア大学(USC)と、日本の山野学苑(山野正義総長)が提携して作成された通信教育プログラムです。山野学苑創設者の山野愛子さんは、真の美しさを「美道五大原則」として理念に掲げました。「健康美・精神美」に、外見美である「髪・顔・装い」の5つです。

 心と体が健康ならば外見も美しくなる。この考えがUSCと山野学苑の間で合意して作成されたジェロントロジーを山野総長は「美齢学」と名付け、われわれ日本人が誰でも気軽に学べるようにしたのです。

 私がこの美齢学に共感したのは、アンチエイジング(抗加齢)より一歩進んだ「アクティブエイジング」というコンセプトです。「人間は毎年必ず1歳年齢を重ねる」、そして「死亡する確率は100%である」、この2つの運命を深く認識し、「いかに老化を遅らせて、心身ともに美しく豊かに年を重ねることができるか」というのがアクティブエイジングの考え方です。

 われわれ日本人が捉えているアンチエイジングは「若さが正義」という前提で、見た目も考えも若いことが良いという固定観念が強い気がします。たしかに、寿命が短い時代は若い世代が世の中を動かすことが当たり前でした。しかし今の日本は50歳を境に下世代と上世代が「約半々」です。それならば若い世代のみならず、50歳以降の世代ならではの「文化・働き方・消費・暮らし」があると思います。

 シニアライフは多分に「お金・健康・孤独」の3大不安を中心に、負の側面を語る傾向があります。しかしジェロントロジーは加齢を人生の後退プロセスではなく、前進させる「生涯発達」とポジティブにとらえ、高齢化を前向きに受け入れることを基本としています。

 「生きるほどに美しく」。これからの日本は成熟した真のオトナがさらに活躍する場がたくさんあります。ABS世代のみならず、すべての人間が年齢を重ねるほど「心豊かに、カッコよく」自分自身の価値を最大限に生かして人とコミュニケーションを図り、「ドキドキ・ワクワク・ハッピー」で、笑顔が絶えない。そんなQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を創造する時代が来たのです。

 ■ABS世代 昭和30(1955)年から43(68)年生まれで現在50歳から64歳の、若者時代にバブルを謳歌した世代。

 ■鈴木準 1960年生まれ。一般社団法人日本元気シニア総研主任研究員。ジェイ・ビーム代表取締役。マーケティングコンサルタント。ジェロントロジスト。広告代理店を経て37歳で起業。企業のモノやサービスのコンセプト開発、プロモーション戦略に関わっている。

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