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どうも話がかみ合わない夫婦… 相手をできるだけ「言葉通り」に理解する

 長年連れ添ってきたはずなのに、どうも話がかみ合わない…。そんな悩みを抱える夫婦は少なくない。「定年を迎えたら、妻とのんびり過ごしたい」という夫の思惑とは裏腹に、「夫とは話が合わないし、一緒にいても疲れるだけ」(58歳・女性)、「定年後はこれまで以上にできる限り、別々に過ごしたい」(56歳・女性)など妻側の辛辣なコメントは尽きない。このすれ違いはどこから生じるのか?

 男女のコミュニケーションの違いを読み解いた著書『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』(晶文社)が話題の清田隆之氏(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)に、話を聞いた。

 「恋人や夫が『話を聞かない』という不満や愚痴はあとを絶ちません。むしろ、トップクラスの“あるある”と言っていいほどです。ただ、よくよく聞くと、男性側は必ずしも話を聞いていないわけではない。ただし、とんちんかんな解決策の提案や茶化し、説教や要約によって『ちゃんと話が届いてない』と思わせてしまっている。そこに問題の本質があると感じています」

 いくら聞き手が「自分は話を聞いている」と自負していても、話し手側に「伝わった」という感覚が生まれない限り、ギャップは埋まらない。つまり、“話を聞いたかどうか”は相手の主観によって左右されるものだという。

 「まず、最初にすべきは相手の話に耳を傾けるとともに、その背景にある複雑な感情を可能な限り、理解しようと試みることです。その上で、話の内容をなるべく正確に把握していく。このとき大切なのが、自分の意見や解釈をいったん除外し、相手の言葉をできるだけ言葉通りに理解することです」

 感情を共有し、話の内容を論理的に把握できると「同じ景色が見えている」とも言うべき一体感のようなものが醸成される。これこそが、共感であり、「話が届いた」という感覚のベースになるものだと、清田氏は説く。

 女性は共感を求めるが、男性は解決策を重視するとよく言われる。だが、問題なのは「解決策の提案そのものではなく、共感のプロセスを省略することだ」というのだ。

 「『話を聞く』のはシンプルなようでいて、難易度が高い行為です。主張したくなる気持ちはいったん抑え、読解力と想像力を駆使しながら、相手の話に耳を傾け続けることは、言うほど簡単ではないでしょう。でも、そうできれば誰もが“良き話し相手”になれます。そして、外国で言葉が通じる人に会えたときのような安心感を相手に与えることができる。それは、説教やアドバイスとは比べものにならないほど、喜ばれるはずです」

 話を聞かない夫(父親)として家族に見切りを付けられるか、頼もしい存在として浮上するか。話を聞く態度ひとつで変わるなら、試してみない手はない。

 ■島影真奈美(しまかげ・まなみ) ライター/老年学研究者。1973年宮城県生まれ。シニアカルチャー、ビジネス、マネーなどの分野を中心に取材・執筆を行う傍ら、桜美林大学大学院老年学研究科に在籍。「ホテル業界の高齢者雇用」をテーマに論文執筆を進めている。

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