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【凄腕アナリスト ザ・覆面】「エムスリー」日経平均構成銘柄に新採用 医療情報専門サイトが成長途上、設立20周年を前に最も若い225種銘柄誕生

 4日の大引け後、10月1日に実施される日経平均225種構成銘柄の定期入れ替えが発表され、東京ドームが除外、医療従事者を対象とした医療ポータルサイトを運営する「エムスリー」(2413)が新規採用となった。この発表を受けてエムスリー株式は急伸して年初来高値を更新した。日経平均構成銘柄に新規採用されることは、従来にも増して株価へのインパクトは大きくなっている。

 これに先立って、東証1部から2部に指定替えとなる千代田化工建設に代わり、8月1日からバンダイナムコホールディングスが日経平均構成銘柄に新規採用されている。7月10日の大引け後に発表され、このニュースを受けた翌日のバンダイナムコの株価はストップ高の6190円、日経平均採用後の8月28日には6420円まで上昇した。

 上げ幅は小幅だが、この同じ期間に日経平均が下げていることを考慮すれば、新規採用効果は十分に効果があったことが分かる。日本銀行のETF(上場投資信託)買いによって指数連動資金が巨大化、インデックス・ファンドの規模が拡大していることを背景に、日経平均の銘柄入れ替えによるイベント・インパクトも膨らんでいる。

 さて、エムスリーは医療情報専門サイト「m3.com」等の運営を通じて、医師や薬剤師といった医療従事者の人材紹介・求人広告をはじめ、転職支援▽医学生・薬学生のための研修病院・就職情報の検索▽医師のための病院情報検索▽産業医の紹介・顧問の各種サービス-を展開するこの分野のトップ企業だ。

 このほか、事業領域を医師・薬剤師へのキャリア情報提供や医療機関への医療コンサルティングに広げるとともに、米国、英国、フランス、中国、インドなどにも進出して成功している。

 米国では治験実施施設を運営する企業を買収するなどして、海外事業も成長途上にある。今年だけでも、LINEとオンライン医療事業を目的とした共同出資会社を設立、NTTドコモと資本業務提携して企業の健康経営をサポートする企業を設立、インドの医師・医学生コミュニティーWEBサービス企業をグループ化、リハビリ専門職向けメディアの展開企業を子会社化と事業拡大に弾みがついている。

 これらの結果、今3月期連結業績では売上高1300億円(前期比15%増)、営業利益350億円(同13%増)の2ケタ増収増益を見込んでいる。

 ソネットエンタテインメントの子会社だったエムスリーは、ソニーがソネットエンタテインメントを買収したことで直系子会社となり、現在はグループ会社。2000年9月に会社設立、04年9月にマザーズ上場、07年3月に東証1部指定と、トントン拍子の企業成長を見てきた。

 近年の日経平均構成銘柄の新規採用では、会社設立が1997年の楽天、98年のサイバーエージェント、99年のディー・エヌ・エーと若い企業が目立ってきたが、来年に設立20周年を迎える株価2000円台半ばのエムスリーは、最も若い225種採用銘柄となる。

 ■ザ・覆面(ざ・ふくめん) 金融業界では知る人ぞ知るベテラン。株式の分析と着眼点の鋭さに定評がある。名を出せばハレーションが大きいため、覆面で参戦。

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