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【バフェットの次を行く投資術】「損得」を超えた人間の「心」 経済学の「合理的経済人」の規定は間違いである

 筆者が旧大蔵省(財務省)OBの有地浩と「人間経済科学研究所」を設立したのは2018年4月のことだが、2人には共通した思いがあった。

 「現在の経済学では『合理的経済人』なるものが規定されて、人間というものは、チェスや将棋の駒のように無味乾燥に扱われているが、それは間違いである」ということである。いや、「合理的経済人」よりもチェスや将棋の駒の方が人間味を感じるくらいである。

 確かに、「同じことなら(経済的に)得になることをしたい」というのが、人間の普遍的な心理であることは疑いがない。しかし、人間とはそれだけの存在であるのか?

 例えば、地震・台風などの被災者に義援金を送るのは、送った人になにか(経済的)得があるからなのか。もっと身近な事例では、親が子供を育てる(産む)のは、子供を育てる(産む)となにか(経済的)得があるからなのか。実際のところ、世の中の大部分の出来事は「損得」を超えた人間の「心」によって引き起こされている。

 アダム・スミスの「国富論」は誰もが知っている経済学の礎となった有名な書物だが、この「国富論」が「道徳感情論」の別冊であることはあまり知られていない。

 アダム・スミスは英グラスゴー大学(ハリー・ポッターの撮影で有名)の道徳哲学の教授であり、道徳=「人間性」の追求の中で「国富論」という名著が生まれたのだ。だから「国富論」を理解しようと思ったら、人間の社会心理を詳細に述べた「道徳感情論」をまず学ばなければならない。

 バフェットは20歳の時に後に師匠となるベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」を読んだ瞬間から「本当の投資人生」が始まったと繰り返し述べているが、グレアムはその中で「ミスター・マーケット」という擬人化された存在で、市場の動きを説明している。(人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩)=敬称略

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