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【10・1消費税サバイバル】弱者いじめの声上がる…「インボイス」徹底解説! 小規模業者の「益税」はなくなる?

 10%への消費税増税に伴い、ひそかに注目されているのが、「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)が2023年から導入されることだ。現状は小規模・零細事業者は消費税の納税が免除され、「益税」が発生するが、税率が上がると“もらい得”も増える問題があった。不公平感を是正する意味合いもある一方、弱者いじめとの不満の声も出るインボイスについて、税理士の吉澤大氏が解説した。

 事業者の消費税納税の基本的な仕組みは以下のようなものだ。卸売業者がメーカーから本体価格100円+消費税8円の計108円で商品を仕入れ、小売り業者に本体価格150円+消費税12円の計162円で販売した場合、販売で得た消費税12円から仕入れで払った消費税8円が控除され、4円を納税する。

 一方、年間売上高1000万円以下の小規模・零細事業者は消費税納税が免除となるなどの負担軽減制度がある。前出のケースでは、消費者から受け取った4円の消費税が事業者の手元に残る「益税」が生じる。

 「税率3%から始まった消費税が10%になれば、『益税』もどんどん広がりかねません。放置すれば増税するだけ免税事業者が有利になるので、国民全体から理解を得にくくなるでしょう」と吉澤氏は指摘する。

 その対策として導入されるのがインボイス制度だ。売り手が買い手に対し正確な適用税率や消費税額を伝える「適格請求書」(インボイス)がなければ、仕入れ先などに払った仕入れ分の消費税額の控除ができない仕組みになる。

 吉澤氏は「インボイス方式は、今まで益税を謳歌(おうか)していた事業者や、それを利用して節税提案をしてきた税理士には受け入れがたい改正ではあります。ただ、理論上は反論できる余地の少ない合理的な制度だと思います」と見解を示す。

 現状でも、売上高にかかわらず、「益税」の恩恵を受けられない業者も存在する。

 「例えばマンションを建設する際、オーナーは多額の消費税を支払っているのに、居住用の家賃は非課税売上であるとの理由で原則、仕入税額控除はできません」と吉澤氏。

 「益税」をなくすことは、零細企業など弱者に打撃を与える措置だとして批判する声も小さくない。

 ただ、吉澤氏は「やむを得ない措置」と強調したうえで、こう続けた。

 「小規模な免税事業者でも経費のかからない事業ならば、もうかる、よいビジネスともとれます。課税売上高だけをみて、一概にみな『弱者』ともいえないとも考えています」

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