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【定年後・自走人生のススメ】シニア会社員のマネープラン、まずは手取り収入の把握から

 「定年後のセカンドライフの一番の不安は収入面」というシニア会社員の声を、前回紹介した。定年後研究所が行った調査でも、定年延長を歓迎する理由は、「収入が得られる期間が延びるから」がダントツに多い。定年後の充実した「自走人生」と「お金の問題の解消」は密接に関係しているようだ。

 そこで、定年前後のシニア会社員の「お金の問題」について考えてみたい。ここでは、定年後研究所が提供している「百年ライフプラン研修」のテキスト「マネープランを考える」(ストックアンドフロー代表・浅井秀一氏監修)から、マネープランを立てる際の注意点を紹介する。

 私たちの「家計」という経済単位は「収入と支出」で構成されている。まず、わが家の財布(家計)に、お金が流れ込んでくる(収入)。生活のためにお金を使うと、財布から流出する(支出)。だから、マネープランというのは、「キャッシュフロー(お金の流れ)表」を作成し、収入から支出を引いた「年間収支(黒字または赤字)」を将来にわたって予測し、その結果としての貯蓄残高の推移を見ていくことである。

 しかし、いきなりキャッシュフロー表を作るわけではない。まずは「現状分析」である。

 自分の年収は分かっていても、「手取り収入」まで把握できている人は少ない。収入の基準は「年収」だが、その中には「税金や社会保険料」など、給与から天引きされていて実際にはわが家の財布には入ってこないお金が含まれている。「現状把握や資金設計を考える時には『手取り収入』の方が重要になってきます。この手取り収入のことをライフプランでは『可処分所得』といいます」(前出の浅井氏)

 わが家の昨年の「可処分所得」を算出してみよう。準備するものは、(1)「平成30年分給与所得の源泉徴収」と(2)「令和元(平成31)年度給与所得等に係る市民税・県民税特別徴収税額の決定通知書」の2つ。勤務先で「年末調整」を受けている会社員であれば、原則として、(1)は昨年12月の給与支給明細と同時に、(2)は今年6月の給与支給明細と同時に渡されているはずである。(2)は直前の給与支給明細(月給)でも代替できる。

 準備ができたら、図中のA~Dまでの空欄を埋めていくのだが、転記する金額は、(1)または(2)の該当する項目欄から引っ張ってくる。

 計算の結果はいかがだろうか。この「可処分所得」額こそが、わが家の家計の「支出(=消費)」の“出発点”だ。昨年、わが家の財布に流れ込んできたお金はこの金額であり、このお金を使って生活してきたのだ。

 次回は、家計の現状分析の次のステップに進んでみよう。

 日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』(https://www.teinengo-lab.or.jp)を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。

 ■得丸英司(とくまる・えいじ) 「一般社団法人定年後研究所」所長。(株)星和ビジネスリンク取締役専務執行役員。1957年生まれ。日本生命保険で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。

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