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【AI時代の発想術】「データサイエンス」全盛期! 鍵握る“数学に強い人材”

 さまざまなデータを分析して科学や社会に役立てることを目的とした「データサイエンス」という学問がある。例えば現代のビジネスにおけるデータサイエンスは「マーケティング」だろう。マーケティングとは市場動向を分析して消費者が欲しがるであろう商品をコンセプトにすることである。

 それにAIが加わると、ビッグデータのような人間には到底処理できないような膨大なデータを過去10年分などから瞬時に分析することができる。AIが普及すると、これまで人が行っていた分析をはるかに超えた分析ができるようになるのだ。近未来の市場はどうなるかを多方面が分析し、より正確な形で描き出すことも可能になるだろう。

 ただし、どのようなデータをどのような条件でAIに分析させるか、は人間が設定する必要がある。その部分はマーケッターのセンスの問題だ。いくらAIだ、ビッグデータだと言っても、結局は人間の感覚が最初の方向性を決めるのだ。

 つまり、ビジネスにおけるデータサイエンティストであるマーケッターに必要な能力とは市場を読み解く力であり、それはマーケッターの才能や経験値によって決まる。経営者や企画立案者が未来市場を明確にして初めて、AIを設定する条件が整うのだ。

 これが従来のデータマーケティングと違う点は、あくまでもこれから先のことを想定することが目的になるということだ。

 従来のマーケティングは、「今こうである。だから、来年はこうなるだろう」程度の提示だった。だが、AIを導入したビッグデータ解析では「1年後」「3年後」「5年後」「10年後」といったように、市場がどう変化するかをある程度提示できるようになる。さらに、1年目にその予測があたったらA案にする、外れたらB案にする、というようにフローチャートで事業計画を立てられるのだ。

 もちろん、3年、5年、10年と先になればなるほど予測が当たる確率は減っていく。しかし、人間の価値観は基本的に変わらないから、本当に知りたいのは何かという基準で範囲を狭めていくことも重要だ。そして、その決断ができるのもAIではなく人間なのである。ここがデータサイエンティスト=マーケッターのセンスと想像力、つまり腕の見せ所だ。

 そして、ここ数年、データサイエンティストの能力として注目されているのが数学である。データは数字で表される。それをAIに読み込ませて分析させ、条件を加えてさらに分析させるといった指示をするには、すべて数学で伝えなければならない。AIに対する“言語”は数学なのだ。

 具体的には、統計学や線形代数、つまり微積ができなければAIに指示することはできない。数年もすれば、この面倒くさい数学も不要で指示できるようになるだろうが、その数年間でビジネスの優劣は決まってしまうことだろう。みんなができないうちにAIにデータ解析を命じて、極めて確率の高い未来を予測できれば、そのビジネスの成功は見えてくる。つまり、この数年間は数学に強い人材がAIを動かして企業の戦略に貢献することになる。(プランナー・久保田達也)

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