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若者の街・渋谷で、東急プラザが“大人向け”に注力するワケ

 東急不動産は、東京・渋谷の新商業施設「東急プラザ渋谷」を12月5日にオープンすると発表した。渋谷駅西口で建設が進む再開発ビル「渋谷フクラス」内の商業施設となる。同社は、建て替え前の「東急プラザ渋谷」に思い入れがある人たちをはじめとする40代以上の顧客を重視。時代に合った要素を取り入れながらも、渋谷における自社の歴史や再開発への意気込みを反映させた施設となる。

 ◆旧「東急プラザ渋谷」の挑戦を引き継ぐ

 渋谷フクラスが建つのは、1965年に民間デベロッパー初の専門店複合商業ビル「渋谷東急ビル」が開業した場所。その後、渋谷東急ビルは「東急プラザ渋谷」と名称を変え、銀座の名店を集めた「立体名店街」を設置したり、ファッションビル化を行ったりと、さまざまなことに取り組んできた。

 2015年3月、ビルの老朽化などで東急プラザ渋谷は閉館。再開発によって新たなビルを建設することになった。東急不動産の岡田正志副社長は「49年にわたる歴史に幕を下ろしたときには、お客さまから2500通のメッセージをいただいた。さまざまな挑戦をしてきたことが、長い間愛されてきた理由の一つだ」と、9月11日に開いた発表会で語った。

 新しい商業施設として復活する東急プラザ渋谷でも、「新たなチャレンジ」を掲げる。それが、“若者の街”といわれる渋谷で、あえて“大人”をターゲットにしたライフスタイル提案をすることだという。「渋谷になじんできた大人たちの温かな記憶を呼び起こし、“人生100年時代”にふさわしい商業施設として新たなスタートを切る。過去を大切にしながら、未来の価値を創造するブランドにしたい」と、岡田副社長は強調する。

 全69店舗が入る中で、“成熟した大人たち”をターゲットとする目玉施設が17、18階のルーフトップガーデンだ。スクランブル交差点や夜景を見下ろせる広場「SHIBU NIWA(シブニワ)」を設置。また、シンガポールのリゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」の最上階レストランなどを手掛ける「セラヴィ」が日本初出店する。渋谷の景色を楽しめる「大人の社交場」を目指す。

 ◆「ライフプラン」をサポートするフロアも

 2~8階のフロアには、「食」「健康」「美」「趣味」「ライフプラン」をキーワードとした店舗を集める。特徴的なのが、5階の「シブヤライフラウンジ」。ライフプラン構築をサポートする機能を持ったフロアとなる。人生設計に関する総合窓口、資産相談、旅行サービス、保険サービス、洋服やかばんの修理などを手掛ける店舗に加えて、ソフトバンクロボティクスが運営する、ロボットとの暮らしを体現したカフェ「Pepper PARLOR」が出店する。

 施設のデザイン面でもターゲットを意識している。グランドフロアの2階には、建て替え前の東急プラザ渋谷で使われていた外壁の一部を再生して活用。昔の姿を思い出し、親しみを感じてもらえるような空間をつくるという。

 サービス面では、ロイヤルカスタマー向けの特別プログラムも用意する。来館者数は年間500万~600万人を想定しているという。岡田副社長は「(ターゲットを)単純に年齢で区切るわけではないが、あえて言うなら40代以上。渋谷には、(その年代が)落ち着いて買い物や食事ができる場所が少ない」と指摘。「進化してカムバックする東急プラザ渋谷に期待してほしい」と呼び掛けた。

 渋谷では、東急電鉄、JR東日本、東京メトロが事業主体の大規模複合施設「渋谷スクランブルスクエア」の開業も11月1日に迫っており、大きな変化の局面を迎えている。そういった周辺の施設と東急プラザ渋谷の連携について、長尾康宏総支配人は「何かやっていこうという話は始めている。何らかの形で手を取り合って渋谷を発展させていきたい」と話す。若者を中心に多くの人を引き付けてきた渋谷は、これまで以上に多様な人と文化が集まる街になりそうだ。

ITmedia ビジネスオンライン

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