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かんぽ不正販売問題“告発”の被害者が胸中激白! 高齢者に家族の同席拒否させて契約…「信頼につけ込んだ押し売りだ」

 かんぽ生命保険で大規模な不正販売が発覚した問題は、金融庁はかんぽと日本郵便に保険業法に基づく立ち入り検査を進めている。不正販売問題の“火付け役”ともいえる被害者が、高齢者を狙った卑劣な手口について明かした。

 「今明らかになっていることは、まだ氷山の一角ではないかという気がしてならない」。母親(78)が不正販売の被害に遭った東京都の自営業、坂部篤志さん(55)は警鐘を鳴らす。

 坂部さんの母親が被害に遭ったのは2017年8月のこと。あと2年で満期を迎えるかんぽの養老保険に入っていた母親宅を郵便局員2人が訪れた。坂部さんには弟がいるが、「満期までに万が一のことがあった場合、現状の契約では受取人不在で相続になってしまうためトラブルにつながりかねない」という理由だった。

 「母親は、契約の名義を変更する程度の手続きだと思っていたようだ。しかし、郵便局員に言われるまま、気が付いたら養老保険は解約され、2人の息子が受取人の別々の保険に加入させられていた。解約金を10年分の支払いに充て、さらに86歳から4年間、月約4万円ずつ支払う計算だった。とても年金暮らしでは支払えなかっただろう」と坂部さん。

 生命保険協会のガイドラインによると、70歳以上の高齢者への保険販売には家族の同席が原則として定められている。しかし、「郵便局員は母に、『家族は同席を拒否している』と書類に書き込むよう指示した。保険契約時に必要となる健康状態告知のアンケートも、質問項目をすべて伏せて『いいえと回答してください』などと指示していた」という。

 坂部さんは、母親から「何かがおかしい」と相談を受け初めて被害に気付いたという。「昔は、住人と郵便局員のつながりは深く、『かんぽさん』などと親しまれる存在だった。信頼につけ込んだ押し売りだ」と怒りを隠さない。

 坂部さんは郵便局に説明を求めたところ、郵便局側は契約解消に応じる代わりに「合意書」へのサインを求めた。そこには「今後一切の異議を申し立てない」「第三者に開示しない」などと記載されていた。「これでは隠蔽じゃないか」と坂部さんはサインを拒否。保険料を支払わず、失効させることになった。

 坂部さんはこうした体験をフェイスブックやブログに投稿すると反響は大きく、類似の被害に遭ったという声も多く寄せられた。報道機関の取材にも積極的に協力、不正販売は社会問題化した。

 「私や同じ被害に遭ったという知人も含めて被害者への直接の謝罪はない。匿名の郵便局員を名乗る人から、不正に関与したとみられる郵便局員らが社内で表彰を受けているという告発を受けた」と話す。

 かんぽでは自粛していた保険営業を10月1日から順次再開する意向だが、坂部さんを支援した加藤博太郎弁護士は「まだ全容も解明されていない現時点での販売再開は、時期尚早というほかない」と疑問を呈した。

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