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【ぴいぷる】撮影監督・山田康介さんは“必撮”仕事人 高倉健さんの言葉で仕事の姿勢が繊細に (1/2ページ)

 さわやかだった第一印象が一変した。

 写真撮影のため、ソニーの映画製作用カメラ「VENICE(ベニス)」を構えた瞬間、カメラと一体となった職人の姿になった。

 映画「シン・ゴジラ」で、2017年の日本アカデミー賞最優秀撮影賞に輝いた撮影監督。13日から放送が始まるドラマ「コールドケース2」(WOWOW)では、時代との格闘に挑んだ。

 米人気ドラマのリメーク版である同作は、未解決事件の真相解明にあたる刑事らの姿を描いている。自然、過去と現在が交錯する映像のでき映えが、作品のクオリティーを左右することになる。

 「一つのドラマの中に、また別の物語を作っていく。それを映像で見せることが面白い。ものすごく難しくて悩んだりもするんですが、楽しかったですね」

 登場する時代は、1950年代から現代まで幅広かったという。「時代に合うように米国から取り寄せた白黒フィルムを使って撮ったり、ハイエイトという家庭用のビデオで撮影したりしたこともありました。現在パートでは、今現存するなかで考え得る最高の機材、最高の環境で撮っています」と振り返る。

 撮影方法でも、登場する時代に合わせた質感と撮り方にこだわった。過去と現代の機材、手法を駆使するさまは、まさに職人を感じさせる。

 撮影を職業にしたいと思った原点は、高校時代にある。米映画「セブン」(95年)を見て、「ルック(作品の色味)が『これは違う』と思いました。そこから撮影というものを意識し始めました」。

 高校卒業後は、日本映画学校(現日本映画大学)に進学し、在学中から、プロの映画製作現場で撮影助手としてアルバイトをした。睡眠時間は毎日2~3時間、連日怒鳴られ続けるという過酷さに「向いていない」と思ったが、誘われて東宝映画に入社した。

 この世界で生きる覚悟が定まったのは、作品に懸ける先達たちの姿勢を見たからだった。その一人が、日本を代表する俳優、高倉健さんだった。

 「師匠」と仰ぐカメラマン、木村大作さんが撮影を担当し、助手を務めた日中合作の映画「単騎、千里を走る」(2005年)の製作でのことだった。高倉さんの撮影が終わり、セットを解体した後、現像が上がり、ピントが合っていないことが分かった。

 撮り直しが決まり、セットをもう一度組み直した後、高倉さんを一人、待っていた。

 「すいませんでした!」。そう謝ると、高倉さんは「まあ、しようがないよね。でも、大ちゃん(木村さん)に『あいつのことを叱れ』と言われたからな」と声を掛けると、山田さんに背を向けて「ふざけんじゃねーよ。馬鹿野郎!」と言って、中に入っていったという。

 迫真の演技だった。撮り直しが無事終わった後、高倉さんからはこんな言葉を贈られたという。

 「木村大作は日本を代表する撮影監督なんだから、その助手も一流じゃないと駄目だ」

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