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【ぴいぷる】“負けたらあかん精神”で世界を駆ける! パペット落語家・笑福亭笑子「メルボルンの笑いは大阪に似てる」 (1/2ページ)

 水玉、ヒョウ柄、ゼブラ柄。ド派手な着物に金髪おかっぱ。そして両手には異彩を放つ2体の人形。腹話術を駆使したパペット(人形)落語家として、世界を駆け回っている。

 「いままで30体ぐらい作ってきましたけど、1体作るのに1週間くらいかかります。最初に作ったのは10代の頃。好きな人にそっくりな人形を作って手渡したら、『怖っ』と引かれてしまって。『何で嫌がるんやろ?』って思ってました(笑)。このネタ、舞台のネタになってます」

 ■異色の経歴

 軽妙な関西弁がぽんぽん飛び出すが、海外公演はもちろん英語だ。そんな噺家の社会人としての振り出しは、兵庫県警の警察官というから人は見かけによらない。

 「腹話術を使って、県警で交通安全指導の仕事に関わっていたんです」

 だが、思うところあり3年で辞めてカナダへ留学。帰国後、アナウンサースクールに通い、シンガポールでアナウンサーに。そのころに見た笑福亭鶴笑のパペット落語に「これだ!」と思ったという。考えるより先に体が動いてしまう直感型人間なのかもしれない。

 当時、鶴笑はシンガポールを中心に活動し、文化交流大使としてロンドンに拠点を移すところだった。

 ■豪を拠点に

 「子供からお年寄りまで人種を超えて笑わせる」という芸に魅せられ、「どうしても弟子入りしたくなって」ヒースロー空港に先回りして待ち伏せ。その勢いに何度も断った鶴笑も折れ、そのまま4年間、ロンドンで修行し、世界最大級の演劇祭「エディンバラ・フリンジ・フェスティバル」に出演するまで成長。その後、大阪の天満天神繁昌亭などで芸を磨いた。

 で、現在の拠点はというと、南半球オーストラリアのメルボルン。一昨年2月、2万人が参加した人気オーディション番組「オーストラリアズ・ゴット・タレント」で準決勝まで勝ち進むと、仕事のオファーが次々と舞い込むようになり、同国で開催される世界3大コメディーフェスティバルにも呼ばれ…。

 「メルボルンの笑いは大阪によく似ている。自虐ネタが多いんです。自分を落として笑わせる。観客もコメディー好きの通な人が多いですね」

 家に帰れば、空間商業デザイナーのオーストラリア人の夫と、12歳の長男が待っている。海外出張中は、夫が息子の食事やお弁当を作る。

 「ちょっと前まで、『ママ、行かないで』って泣いていたのに、今は帰ると、『ママがいなかったら静かなのに』と息子に言われてます」

 先月上旬、一時帰国し、天満天神繁昌亭での記念興行「笑福亭松鶴生誕百年祭」に参加、会場を沸かせた。

 「帰国するたび、すごいスピリットを持った笑福亭の一員なんだと再確認します。特に今回は師匠の鶴笑が実行委員長で、『一門が全員集まるのは不可能』と言われていたのを実行してみせてくださった。『不可能なことは何もない』と師匠に言われて感動しました」

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