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【ぴいぷる】“鉄道マニア”としておなじみも「これはまずい」 元カシオペア・向谷実、62歳勝負のキーボード (1/2ページ)

 ■背水の陣で臨む東京・大阪・福岡ホールツアー/作ると聴くがシンクロしないと意味がない 

 「最近は、若い人には“鉄道マニア”としてのほうが知られていて、ピアノを弾くと上手ですねなんて言われてしまう。これはちょっとまずいなと…」

 元カシオペアのキーボード奏者であり、鉄道シミュレーターや駅のホームドアなどを開発する企業の社長でもある。“鉄道マニア”としても、バラエティー番組でおなじみだ。

 「僕としては経営者もミュージシャンも30年以上、並行してやってきたんです。でも今年に入って、音楽のほうでアクションを起こさないとこの状況は変わらないなと思うようになったんです」

 で、まず何をしたか。ここが経営者の大胆な判断というべきか、11月16日に東京・有楽町の東京国際フォーラムの会場を押さえてしまったのだ。

 「何かの拍子で空きができたんで、押さえちゃいました。それで大阪と福岡もホールを押さえることができたんで、ホールツアーをやります。自分で退路を断たないと、と思ったんです。今年こそは逃げないぞという決意ですね」

 そこから、コンサートに向けて動き出した。盟友でもあるキーボード奏者、ドン・グルーシン(デイブ・グルーシンの実弟)とメンバー集めに奔走。ドラマーのハーヴィー・メイソン、サックス奏者のアーニー・ワッツ、ギタリストのポール・ジャクソンJr.といったそうそうたる顔ぶれがそろった。

 「イベンターにこのキャストのリストを見せたら、『まじですか』と驚かれましたよ。で、この顔ぶれで懐かしい曲ばかりやるというのは、コンサートを立ち上げた趣旨とはちょっと違うので、CDを作ろうということになったんです」

 流れとしては、CDを作ったから、ライブをやるというのが普通だが、これではまるっきり逆だ。CD製作は急ピッチで作業が進められた。もちろんライブの日が決まっているからだ。

 8月上旬に米ロサンゼルスで行われたレコーディングは「ほとんど一発録りでした」という。で、完成したアルバムが「THE GAMES-East Meets West 2018-」なのだ。

 「カシオペアでも多重録音はよくやったけれど、実は僕は一発録り派なんです。僕の信条として『自分に勝る自分はいない』と思っているんです。スタジオに入って、もっとうまく弾けるんじゃないか、ってやり始めたら、もうドロ沼。自分は自分でしかないんで。やっとこの年になって、そういうことが分かるようになりましたよ」

 現在、62歳。この年になって気付いたことがほかにもある。

 「これまではアルバムを作ったところで気持ちが満足していました。でも、それは間違っていたなと。作る行為と聴いてもらう行為がシンクロしないと意味がない。これが基本中の基本です」

 とはいえ、今回ホールツアーを行うことは大きなチャレンジだ。ツアーメンバーの顔ぶれをみれば、ジャズクラブなら確実に客席は埋まるだろう。果たして、ホールツアーで埋まるのか。

 それでも挑戦するには理由がある。

 「62歳になって挑戦できるのって、よくないですか。実はね、還暦を迎えたとき、同窓会の幹事をやったんです。そこで日本の定年制度を目の当たりにしたんですよ。ミュージシャンも会社経営者も定年なんてないでしょう。でも、僕の友人たちは結構リタイアしていたの。みんなまだまだやる気も元気もあるのに。なおさら、僕が踏ん張らないといけないなという気持ちになったんです。僕の挑戦をみて、みんなが元気になってくれれば、最高だね」

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