zakzak

記事詳細

【ぴいぷる】ペットボトル、モーニングコール…和製英語に魅せられて 北九州市立大学 アン・クレシーニ准教授 (1/2ページ)

 ■「ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?」がヒット 

 ペットボトル、コピペ、モーニングコール、ナイスシュート…。

 実はこれ、すべて「和製英語」。そう、世界ではまったく通じない。

 そんな和製英語などを介し、日本文化と日本人の世界観を研究して18年。アメリカ国籍。5年前、日本の永住権を取得した。本職は北九州市立大学准教授だ。

 和製英語が誕生しやすいのはなぜ?

 「カタカナの存在ですね。日本語には外国語をカタカナ表記する習慣があって、単語同士をくっつけたり創造したり、略語にしたりする土壌を作ったんだと思う。一例を挙げればパソコン。Personal Computerを略したものだけど、これにノートがつくとノートパソコンという和製英語ができ上がります」

 英語では膝の上に置くという意味からLaptop、世界ではLaptop Computerと言った方が伝わりやすいそうだ。

 日本語に魅せられ研究を始めたが、来日当初は違った。理解を超えた言葉や出来事には時として「だってアメリカではそんなこと言わないし、しない」と異邦人を決め込んでいた。

 だが研究のきっかけを与えてくれたのは「パイプカット」(精子を出なくする手術)という和製英語との出合いだった。

 「意味を聞いてもう大笑い。でも何てクリエーティブな言葉だろうと感動さえ覚えたんです」

 英語ではラテン語由来のvasectomy(精管切除)。が、「和製英語の方が意味明瞭。世界共通語に推薦したいぐらい」と大まじめに言う。

 日本語を文化として「見る」目と耳が養われるにつれ、少しずつ内面が変わり出した。

 「それまでの私は、床の間に平気でキーボードを置くガイジンだった。でも床の間は和室(日本家屋)の一番いい場所に作られる特別な空間。とこしえに家の繁栄を願うという意もある大事な場所でしょ。いろんなことを知るようになって決めたんです、以後もう私は異邦人であることをやめようって」

 金髪のロングヘアをばっさり切りソフトモヒカンに。「決意の証し」と肝に銘じた。

 加えて京都生まれの日本人女性と親友になったことでさらに変化が加速する。膨大な量の会話が文化の違いから来る“溝”を埋めていったのだ。

 「一言で言うと聞く耳を持つようになったってこと。そして話の内容や価値観が食い違うところにこそ、日本人をつくっている心象風景と世界観が潜んでいるんだと」

 そんなあれこれを博多弁まじりのバイリンガルブログ「アンちゃんから見るニッポン」で発信中だ。意表をつく文化論は、まるで日本語とワルツを踊るかのようにリズミカルである。

関連ニュース

アクセスランキング