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【ぴいぷる】國村隼「役の人生を存在させることがわたしの仕事」 30日公開映画『かぞくいろ』主演 (1/2ページ)

 ■家族は「役割」

 コワモテのヤクザ役や言葉少なだが温かみのあるお父さん役など、幅広く役を演じる名優だ。

 「極悪人の役をやっても、どこかかわいらしさも感じてもらいたいところはありますね。オギャー!と生まれた瞬間から悪い人はいないので、その人の生まれ育った環境やさまざまな出来事で、物語の中の極悪人になっているのだと妄想していくと、脚本の中にいろいろな面を探せるんです」

 主人公にとっては悪人でも、その人なりの正義があることもある。

 「だいたい悪い役の人は自分の角度からしか物事を見ておらず、相手(主人公)側に立って見ようとしないので、そうなってしまうんですよね」

 そう言って笑う目が優しい。役のいいところも悪いところも「人間の面白さ」として受け止められる懐の深さを感じる。

 30日から全国ロードショーされる映画「かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-」(吉田康弘監督)で有村架純とW主演している。2010年からスタートした「RAILWAYS」シリーズ最新作で、九州西海岸の雄大な景色を望む肥薩おれんじ鉄道のベテラン運転士を演じた。

 「車両に乗り込んでから運転に至るまでの所作は、順番が狂ってしまうとダメなので、それを間違いなく、ベテランとして1つ1つ流れるようにやるのが大変でした」

 晶(有村)は、夫(青木崇高)とその連れ子、駿也と東京で暮らしていたが、夫の突然の死により、駿也とともに鹿児島にいる義父の節夫(國村)を訪ねる。晶はこの地で鉄道の運転士を目指すことに。

 血のつながらない3世代3人のふぞろいな家族の再出発を描いた作品だが、彼自身「血縁がなければ家族と呼べないということではない」と話す。

 「家族というのは、突き詰めていくと、それは役割なんだと思うんです。家族の構成を考えると、初めは夫と妻しかいなくて、子供が生まれると夫はお父さん、妻はお母さんと呼ばれるようになる。血のつながりがあろうがなかろうが、役割を果たせば、家族は作られるともいえます。自分はその役割を果たせるのか? というのが、家族の一員としてやっていくために大切なことだと思うんです」

 血はつながっていなくても、家族になれる。家族の形について、考えさせられる作品だ。

 ■国際派としても

 クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビルvol.1」やジョン・ウー監督「マンハント」など、海外の映画にも出演する国際派俳優でもある。

 2017年に日本で公開された韓国映画「哭声/コクソン」(ナ・ホンジン監督)に出演し、韓国の青龍映画賞で外国人として初の男優助演賞と人気スター賞の2冠を獲得した。

 「映画を作る人間は万国共通で、“映画人”という人種があるように思えます。国籍や言葉の違いはありますが、現場に入れば一緒なんですよね」

 演じる上で大切にしていることがある。

 「自分の中にないものを形だけ整えて、それらしくやることはしません。例えば、泣くだけなら簡単なことです。涙なんてすぐに出ますから。でも心にないものを形だけで見せるというのは、つまらないですよね」

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