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【ぴいぷる】押尾コータロー「ギターって、ちょっと弾かないとすねるんです」 出合いは中学校、“関西フォーク”に衝撃 (1/2ページ)

 「ギターがもう道具じゃなくて、人のように見えてきて。使ってないギターがあると、『使ってくれ』『ケースを開けてくれ』って声が聞こえてくるんです」

 この人は、本当にギターと会話をしているように思えて仕方がない。オープン・チューニングやタッピングを駆使した独特の奏法は、繊細な音色ながら、迫力のある押尾コータローならではの多彩な世界観を生み出している。

 「ギターって、ちょっと弾かないとすねるんですよ。如実に音が出なくなる。最近のアルバムはジャケット写真でも、レコーディングで一番活躍したギターと一緒に写ることにしてるんです。頑張ったんだから、ちゃんと出してあげないと立場がないでしょ、ギターとしても」

 そういえば、2月にリリースされた新アルバム「Encounter」(ソニー)でも、レコーディングで一番よく使ったギターがしっかりと写り込んでいる。

 「18年にギターデュオの『DEPAPEPE』とコラボしたことで、ソロでもいいアルバムを作りたいと思うようになったんですよ」と制作の思いを明かす。日本語で「出会い」と名付けたタイトル通り、アルバムにはさまざまな縁に導かれた楽曲が並んでいる。

 韓国の人気ギタリスト、朴葵姫(パク・キュヒ)のために書いた「Harmonia」は「朴さんは海外で落ち込んでいるときに僕の動画をたまたま見つけたそうで、オファーをくれました。実は僕も韓国で素晴らしいギタリストがいると気になっていたんです。そんな不思議な縁から生まれた曲です」。

 ジャズギタリスト、石田長生さん(故人)がライブで共演したときに書き下ろしたという「Pushing Tail」に対しては「ブルージーになったのは、何となく石やんのフレーズが出てきたなと。僕のフレーズもあるんだけど、やっぱりどこか石やんの感じがね」との思いも。

 ギターとの出合いは中学校にさかのぼる。

 「実は最初はギターは好きじゃなかった。一番やりたかったのはシンセサイザー。YMOがカッコよくてね。でも、子供で買えるわけがないし」

 中学校ではブラスバンド部だった。トランペットがやりたかったが、「体が大きい」ということでバスチューバを担当しただけに、「合奏のよさもわかるんだけど、ひとりで完結できるギターに憧れたね」。

 ただ手にしたのはエレキギターではなく、フォークギター。手近なところにあったのが、フォークギターだったそうだ。

 「友達はエレキで高中正義さんをまねしていたけど、難しそうだったし。むしろ僕には日本のフォークソングがしっくりきたんかな」

 フォークを掘り下げていくうちにはまったのが、岡林信康や加川良ら“関西フォーク”だった。

 「それはもう衝撃でしたね。フォーク自体、辛口の歌詞のものが多かったですが、関西フォークはさらに毒々しい。もう“フリーダム!”って感じでした」

 高校生で、師匠である元「五つの赤い風船」の中川イサトにたどり着いた。

 「イサトさんが大阪でギター教室やっていると知って、すぐに通うようになりました。とにかくそのテクニックたるやすごい。そこからインスト一筋になりましたね」

 20代は売れないロックバンドで、ベースを弾いていた。しかし30代が近づくと、メンバーは仕事に就いたりしてバンドから離れていく。

 「でもそれを止めることはできない。みんな生活もあるしね。でも僕は音楽が続けたかった。だから、バンドじゃなく、ソロでギターを弾こうと」

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