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【ぴいぷる】小沢仁志 顔面凶器のニクい奴! 組長役獲るため1カ月で35キロ太った伝説

 芸能界最強のコワモテである。最近の愛称は「顔面凶器」。俳優生活35年、ヤクザ役の頂点に君臨する帝王だ。

 高校時代はケンカと野球に明け暮れた。卒業後、役者になるために「まず事務所に所属しよう」と、プロダクションや映画会社に手紙を書き続ける。返事が来ないと自分から押しかけ「俺を使ってくれ!」と直訴した。東映に乗り込んだ際は、受付で大モメになるなど武勇伝は数え切れない。

 「待っていてもチャンスは来ない。自分から行かないとダメでしょ」

 その攻撃的営業が実を結び、松竹の奥山和由氏(当時)に信頼され、映画『SCORE』(1996年)では主演を果たした。

 若手時代はテレビドラマの仕事が多かった。だが、どうにもこうにも相性が悪い。

「自分の演技がドラマの枠に収まらない。映画さえも、今で言う『コンプライアンス』優先になってきてね」

 ドラマ、映画の世界がどんどん息苦しくなっていくなか、転機となったのはレンタルビデオ向けに製作するVシネマへの進出だった。Vシネマ史に輝く『広島やくざ戦争』(2000年)で“極道役”として完全にハマった。

 「映画じゃないから映倫関係なし。アダルトビデオじゃないからビデ倫関係なし。Vシネマは本当に自由で面白い」

 数千万円から数百万円の低予算。撮影日数は10日から2週間の場合が多く、ほぼすべて本番1本勝負だ。過酷なシーンばかりのVシネマからは遠藤憲一、寺島進をはじめ数多くの名優が生まれている。

 ノンフィクション作家・溝口敦氏の原作を映像化した実録巨編『荒ぶる獅子』(02年)では、組長役を演じるため1カ月で35キロも太った。

 「最初は(モデルとなった)組長の親族に『そんな線の細いヤツに俺の兄貴(の演技)ができるわけがないやろ』と言われたが、俺もカチンときて『役者ナメないでくださいよ!』とたんか切って朝からビールとカツ丼。1日5食で体重を増やした。後で太った俺を見て納得してくれた。俺、勝ったなと(笑)」

 任侠・ヤクザモノがここ数年、動画配信やレンタルDVDで爆発的な人気を得ている。「大人のエンタメ」に飢えた20~30代から支持されているのだ。

                   ◇

 特に『日本統一』シリーズ(販売・オールインエンタテインメント)は大ヒット中で、本宮泰風と山口祥行演じる2人の不良がヤクザ界の頂点を目指す成り上がりの物語。小沢は2人の親分役で、時にコミカルな演技で後輩をもり立てる。

 「昔はVシネマのイメージは正直、悪かった。でも、20年経ってイメージが変わってきた。俺らの役者仲間で酒飲んで暴れるヤツなんていない。みんなクリーンだよ」

 いまやNHKや民放キー局のトーク、バラエティー番組にも引っ張りだこ。

 「お笑いはもちろん得意じゃないけど、出演することで映像が流れる。アピールになる。すべてはVシネマの火を消さないためさ」

 実生活でも期待を裏切らない。

 「ゲイバーで有名な新宿2丁目によく行く。安心して飲める店が多いね。銀座のホステスさんが避暑地みたいに通ってて、銀座じゃ落とせないステキな女性を2丁目で口説いてるよ」

 酒と女を愛する“昭和型”。貫くそのスタイルは、尊敬する松方弘樹から「おまえは最後の破滅型だな」と言われたほどだ。

 「不良役から始まり、更生しないままヤクザになって、サラリーマンもやってみたけど、やっぱりヤクザに戻って、海外に行けばギャングになる…。それが俺の役者キャリア」と笑い、こう締めくくった。

 「俺の中では演技がどうとか、役者がどうとか、もうそんなのは関係ない。自分の生き様でメシを食っている」

(ペン/山本雄史 カメラ/寺河内美奈)

 ■小沢仁志(おざわ・ひとし) 俳優。1962年6月19日生まれ、56歳。東京都出身。TVドラマ『スクール☆ウォーズ』(84年)で本格デビュー。『ザ・ワイルドビート』(94年)でアクション俳優の才能を発揮。2000年代に入ると白竜、竹内力、哀川翔とともに「Vシネマ四天王」と呼ばれ、現在の称号は「帝王」。『CONFLICT』など主演作は300作品を超える。最新作は『日本極道戦争』(販売・オールインエンタテインメント)。映画監督、プロデューサーとしても活躍中。

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