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【ぴいぷる】松村雄基、人に生かされた役者人生 スクール☆ウォーズ撮影「山下さんやスタッフが、無我夢中になれる時間作ってくれた」 (1/2ページ)

 「日本人でマフィアのボスになるなんて信じられない。しかも、戦時中からはい上がって、本国の人間を凌駕していくんですから痛快ですよ」

 9日まで東京・六本木の俳優座劇場で上演される劇団夜想会の公演「祖国への挽歌」で演じた主人公、モンタナ・ジョーについて、こう語る。

 ジョーは、日系人が強制収容所に入れられた第二次世界大戦下の米国を生き抜き、戦後にはマフィアの大幹部に上り詰めた実在の人物。やがて、上部組織を裏切り、FBI(米連邦捜査局)の公聴会でファミリーの秘密を暴露することに…。

 劇的ともいえるジョーの生涯を「ジョーは自由に生きたいと思って、一人で何でもしようとするんですが、常に支えてくれる仲間や家族がいるんです。でも一人では生きていけないから、ファミリーを追いかけた人生だったと思います」と語る。

 来年でデビュー40周年を迎える自身もまた、多くの人に支えられてきた。そんな自覚を強く持っている。

 中学生のとき、同級生の母親から事務所の社長を紹介され、17歳でデビューしたが、芸能界への思いは薄かった。

 「カメラでアップを撮られているとき大あくびをしたことがあるんです。そのとき、カメラマンに『お前、役者を10年やってからあくびをしろ!』と言われたんですが、『よし10年たったらあくびをしよう』と思いました。それぐらい何も考えていない馬鹿者だったんです」

 それでも役者を続けたのは、負けず嫌いな性格があった。「『やれ』と言われたからやる。できないことは悔しいから、できるようになるまでやりたい。努力はするんですが、役者をやりたいからではないんです。できない自分が悔しかったんです」と振り返る。

 何より考えられるだけの時間もなかった。10代終わりごろから10年近く、めまぐるしい日々が続いた。休みは月に1日程度。大晦日と元日に休んでも、三が日から撮影という生活だった。

 代表作「スクール☆ウォーズ」では、不良高校生の大木大助役だった。撮影初日は、教頭の裏切りに怒って殴り込んでいったところ、山下真司演じる主人公の熱血教師に止められてほだされるシーン。半日間、ずっと泣き続けるという撮影だった。

 「山下さんやスタッフが、無心というか無我夢中になれる時間を作ってくれました。今から思うと、そういうことの積み重ねがあって今があるのだと思います」

 作品の反響はすさまじかった。移動のため電車に乗っていると、放映日の翌日にドラマを話題にするのをよく耳にした。

 あるとき、隣の女子高生が「大木大助、泣きすぎだよね」と話をしていた。「でも、台本に書いてあるんだもん」と喉まで出かかった。女子高生までが感情移入する国民的ドラマだったのだ。

 考え方が整理されたのは、舞台に出演し始めた30代の頃だった。

 「映像ではカメラの向こうのことをあまり想像できないんですが、舞台の場合は芝居している向こう側にお客さまがいます。自分が楽しんだり、気持ちよくなる気持ちも必要なんですが、目的は見ていただく方に楽しんでもらうものをやるのがプロなんだということを、先輩の役者やスタッフ、お客さまに教えてもらいました」

 即座に観客の反応がある舞台を経験したからこその目覚めだった。

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