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【伝説のギタリスト・石田長生 Char大いに語る】石やんの最後の夢は、俺と2人でギターを持たずに漫才することだった

 2015年7月に62歳で急逝したギタリスト、石田長生(おさむ)さん。アコギデュオ「BAHO」を組んでいた盟友、Char(64)がその素顔を語った。

 ジェラシーを感じたことは一度もないね。音楽的にはギターでロックからモダンジャズまで表現しちゃうんだから、そこはもう勝負にならない。認めざるを得ない。

 ただ唯一それに近い思いをしたのは、BAHOの初期に青山でライブしたときかな。石やんはソロコーナーで反則的に『HAPPINESS』をやったの。俺、舞台裏で「やりおったな、あいつ」って思ったもの。でもギター1本で東京の客を盛り上げたのを見て、「これは俺にはできないな」と感心したなあ。

 逆に石やんはもしかしたら俺にそんな気持ちを持っていたかも。酔っ払って、俺が立ち小便したとき、「お前は面が割れてるスターなんやから、そんなことしたらあかんって」と言っていたよ。

 俺は、BAHOとは別にピンククラウドとかバンドにこだわっていて、そっちではストイックに音楽を突き詰めていたから、メンバーとよくけんかになったんだ。でも、石やんとはけんかになったことはないんだよ。

 一度とっくみあいになったけど、それは酔っ払って暴れる俺を押さえつけようとして、プロレス技をかけられたぐらい。やんちゃな俺を兄貴分の石やんが飲み込んでくれていたのかな。

 石やんは、俺が持ってる“戸越銀座的”な一面、というか素の自分を引き出してくれるんだよ。石やんとやることで、こんな表現もできるんだと驚くことも多かったね。

 そりゃ今でも、石やんとまたBAHOをやりたいと思うよ。あいつがいないとできないってことは痛いほどわかっているんだよ。それが悔しいんだよ。これからもっと円熟したBAHOができると思ったんだけど、残念でならないよ。

 石やんが作ったイントロを、俺は弾けないんだ。石やんのギターってコピーするのでもむちゃくちゃ簡単か、異常に難しいか。本当に代わりなんていない。だって、ギターが弾けても、ステージで早口言葉できる?

 石やんの最後の夢は、俺と2人でギターを持たずに、漫才することだったんだって。(おわり、聴き手=福田哲士)

 ■石田長生(いしだ・おさむ) 1952年7月25日生まれ、大阪府八尾市出身。74年、大塚まさじの「ザ・オリジナル・ディラン」に参加、レコーディング・デビュー。89年にCharとアコースティック・デュオ「BAHO」を結成した。2015年7月8日、62歳で死去した。

 Charらゆかりのミュージシャン20組によるトリビュート・アルバム「SONGS OF Ishiyan」(江戸屋)がリリースされた。

 9月14、15日に大阪・なんばHatchで、9月22日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールでトリビュートライブを開催。

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