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【ぴいぷる】令和の坂本冬美は王道のさらに先へ 原点回帰の“男歌”「大人の人が聴いてもいいなと…」 (1/2ページ)

 「令和1発目だから、まさに原点回帰ってところなんです」

 昭和にデビューして、平成を経て、令和になってリリースしたシングル『俺でいいのか』(ユニバーサル)は、本人が“原点回帰”というように自身の代名詞ともいえる“男歌”だ。

 「それでも私も19歳のとき、『あばれ太鼓』でデビューしてから33年もたちますから、勢いばかりではなく、大人の人が聴いてもいいなと思っていただけるような男歌だと思いますよ」

 最近は『また君に恋してる』のヒットで知られるように、ポップス寄りの活動も多かったため、「曲を作っていただいた徳久(広司)先生からは“ちゃんと演歌が歌えるんだね”って言われちゃいました。“最近はあっち(ポップス界)に行ってたから”って心配されちゃいました」と照れ笑い。

 ということで、“こっち”に戻ってきたわけだが、「長年のファンの方から“冬美ちゃん!”ってかけ声を入れられる歌を歌ってくれたよって言われたんですよ」とも。

 そんな久しぶりの男歌。50歳を超えた今だから歌えることもある。

 「歌詞を理解できる年齢になったっていうのかな。10代、20代って歌詞の深い部分、要するに行間が分かってなかったところもあるの。背伸びして歌ってたっていうか。私も人生を重ねてきたってことですね」

 思い描く男性像も変わってきたのだろうか。

 「もちろん。10代のときは『俺についてこい!』とひっぱってくれる人に憧れました。性格的にはそんな人、無理なんですよ、本当は。上から言われたら『何よ』ってけんかになるけど、理想ですから。今は並んで歩くとき、すっと車道側を歩いてくれるような、さりげない優しさがいいですよね」

 歌が好きだ、とはっきり言える。なぜかと問うと「なぜだろう…」としばらく考えたうえで、こう口を開く。

 「もし自分に歌がなかったらと考えたら、想像できないのよ。残念ながら私は結婚もしていないし、子供もいないけど、その分、歌が子供たちのようなものなのかな。歌っていくことで歌は成長するし、私も歌のおかげで日々成長させてもらったの。歌ってないときの私って、何の取りえもない、ただのおばさんだから、ウフフ」

 そんな彼女が歌を捨てた。デビュー15年目の2002年のことだ。心の中のストレスが大きくなり、1年間ほど、歌うことから逃げた。

 「あのときは歌いたいとも思わなかったですね。精神的に参っていて、お客さまの前で歌いたいって思えなかったんです。怖かったんです」

 だからこそ、復帰後は歌との向き合い方が変わった。歌が好きだという思いは一緒だが、肩の力が抜けた。

 「若いときは、きれいな声で歌わないといけないって思っていました。それがプロなんだと。たとえ声がかすれても、心で歌えば伝わるんだということが分かってなかったんです。技術よりも、誠心誠意歌うことが一番大切なんだって、舞台の数を踏むにつれて分かってきました」

 以前は舞台で失敗したときは、なかなか立ち直れなかったが、「今は、舞台の上で『ごめんなさい』って言えるもの。ずうずうしくなっちゃったのかな。でもそれがライブの醍醐味(だいごみ)だって思えるようになったのよ」。

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