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吉本「専属エージェント契約」制度、結局は“絵に描いた餅”か 恵まれていない芸人は二の足

 闇営業問題から飛び火し、吉本興業の企業体質や契約問題にまで発展した一連の騒動。雨上がり決死隊の宮迫博之(49)とロンドンブーツ1号2号の田村亮(47)の号泣会見を受けて、極楽とんぼの加藤浩次(50)が『スッキリ』(日本テレビ系)で吉本批判をするなど怒濤の展開を見せたが、謹慎芸人の多くが復帰した今、気になるのは従来の契約から「専属エージェント契約」に変える吉本芸人が、実際にどれほどいるのかということ。

 特に気になるのが言い出しっぺの加藤。吉本残留の理由を「僕自身が、上層部が変わらなければ辞めると言ってしまいました。いろんな思いがあってエージェント制を提案させていただいて、こういう(残る)形になっている」と語り、矛を収めた経緯があるが、「今のところ、エージェント制の契約をまとめているのは加藤とハリセンボンの近藤春菜くらいです。あとは友近がエージェント制に興味を示し、話し合いをしているところ。6000人のタレントがいるので順次説明しているのですが、エージェント制にしたいという人が拍子抜けするくらい少なかったというのが素直な感想。ほとんどの人は現状維持で、エージェント制を導入したタレントの今後の動向をうかがっているという状況です」(吉本興業関係者)

 近藤は、加藤と『スッキリ』で共演しており、闇営業問題発覚の際、「そもそも吉本には契約書なんてない」と口火を切った張本人。いわば“共闘”関係だろう。

 エージェント制は、吉本興業とビジネスで対等な関係が築けるというメリットがあるが、弁護士やヘアメーク、マネジャーを自分で雇わなくてはならないし、自己管理の徹底が求められる。

 9月2日に行われた3回目の「経営アドバイザリー委員会」では、吉本はテレビ局などから受け取る出演料のうち、会社側の取り分と芸人に支払うギャラの比率を本人に示していくこと、さらに辞めた芸人に対して番組に出させないようテレビ局などに圧力をかけることはしないことを約束した。

 「特にお金の件については食いつきが多かった」(前出・吉本興業関係者)というが、あれほど騒いだにも関わらず、加藤に追随するタレントはほとんどおらず、現状は特例扱いとなっている。

 「なんだかんだ言っても吉本のブランド力は大きい。会社としては辞めたい人はどうぞ、ということなんでしょうけど、食えないと言いながらも辞めないのが実情、それが証しですね。加藤さんは吉本の押しで成功したというのがありますから、彼の主張はわかりますけど、むしろ恵まれていると言うか、他の芸人が同じようにやろうにもできない」(吉本芸人)

 結局は、絵に描いた餅ということか。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。

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