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動物の「交尾」とは一線を画す!? 人間が生み出したエロのエロたる由縁とは

 エロのエロたる由縁とは何か?

 男の場合しかよく分からないが、すなわちムラムラしてきてそれ以外のことは一切、考えられなくなって、気が付くとビンビン。

 “ちょっと待ってくれよ、ムスコ。今はマズイ…”などと、どうにかこの場を収めようとするのだが、言うことを聞いてくれないどころかビンビンがズキズキになって居ても立っても居られない。

 こんな時にこその義務教育、学習してから一度も利用したことがないピタゴラスの定理とか、794(なくよ)ウグイス平安京とか、「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら」の形容動詞の活用を呪文のように唱えてみるのだが、一向に収まる気配なし。

 もう、ズボンの前が昭和新山みたく隆起しているのがモロバレで、たまらず腰を引く。

 特にソー・ヤングなころは時と場所を選ばず、突然そんな事態になるのだが、それはどうして? 動物で言うところの交尾の時期を迎えているからに違いあるまい。

 人間はそれを思春期と体よく呼んでいるが、まさに発情期の真っ只中で、子孫を残したいDNAがズキズキと吠えているのだ。

 エロは言うなればそのスイッチで、初期段階では女性のヌード写真、またそれを匂わすしぐさや発言だけで反応するが、だんだんと実際にしている写真や動画を欲するようになり、それを見ては予行演習を行う。

 しかし、人間が生み出したエロは単純に交尾できればいいってものではない。交尾よりも、それに至るまでの過程(前戯、またはプレイと呼ばれる世界観)の方を好む者もいて複雑である。それを全て、ひっくるめたのがエロというもので、動物のそれとは一線も二線も画く。

 『交尾』というタイトルの写真集を買った。

 いやら収集家としては押さえておかなければならないと思ったからだが、表紙のイルカの交尾ではやはりズキズキしない。

 ■みうら・じゅん 1958年2月、京都市生まれ。イラストレーター、漫画家。エッセイストとしても知られ、97年に「マイブーム」で新語・流行語大賞を受賞した。近著に『ラブノーマル白書』(文春文庫)、『みうらじゅんの松本清張ファンブック「清張地獄八景」』(文芸春秋)など。

 webサービス「note」でいとうせいこう氏との自主ラジオ『ご歓談』を配信中。

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