【編曲家・船山基紀 変幻自在のヒット術】C-C-Bの助け舟の賜物だった「Romanticが止まらない」 自信の出来も「京平先生が浮かない顔に」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【編曲家・船山基紀 変幻自在のヒット術】C-C-Bの助け舟の賜物だった「Romanticが止まらない」 自信の出来も「京平先生が浮かない顔に」

 “アタマ5秒が勝負”というヒット曲の極意。編曲家、船山基紀氏がいうように1970~80年代のヒット曲は、どれも印象的なイントロを持っている。当時、イントロクイズが人気だったこともうなずける。

 「僕の場合、ピアノやギターのようなコード楽器ができないから、譜面をみて頭の中で想像するしかない。そうこうするうちに、イントロが降りてくるんだよね」

 まるで魔法のようだが、イントロで印象的なのが、C-C-Bの『Romanticが止まらない』だろう。ドラマ『毎度おさわがせします』の主題歌としてヒットした。

 「この曲は、当時ロンドンで流行していたニューウエーブっぽくしたいというテーマだったんです。あのイントロができたとき、僕は『よっしゃ』という思いだったけど、スタジオで音を出したら、(筒美)京平先生が浮かない顔になったんだよね」

 音を聴いた筒美氏が発した言葉が「こういうのは、やっぱり(編曲家の)大村(雅朗)君だね」。筒美氏は隣にいたディレクターに話したかけたつもりだったのだろう。しかし、ちょうどテープが止まったタイミングで、静まりかえったスタジオにその声が響いたのだ。

 「つらかったね。夜中まで必死にやっているところに、そんなこと言われたら。でも、メンバーの笠(浩二)君と関口(誠人)君が『僕たちはこっちがとても好きです』と助け舟を出してくれたので、その場はそのまま進めようということになって…」

 結局、そのままのイントロでリリースされ、ヒットになるのだから、わからないものだ。

 筒美氏との仕事でもうひとつ。テクノ歌謡のはしりといわれる榊原郁恵の『ROBOT(ロボット)』だ。

 「京平先生からは、とにかくテクノをやりたいとだけ言われたんです。今なら全部打ち込みだろうし、当時だってそうするべきだったけど、とにかく忙しくてね。当時打ち込みに使っていたシーケンサー『ローランドMC-8』はちょっとした静電気でもデータが飛んでしまうほどデリケートだったから、打ち込んでいる時間すらなかった。だから全部シンセを弾いてもらったの。打ち込みみたいに聞こえるでしょ。あれは苦肉の策だったね」

 ■船山基紀(ふなやま・もとき) 1951年、東京都生まれ。早稲田大ではハイソサエティ・オーケストラでサックス奏者として活動。ヤマハのポプコンで編曲の基礎を学び、74年から本格的に活動。デビュー作は中島みゆき『アザミ嬢のララバイ』。自身が手がけたヒット曲をCD4枚に72曲収録した『船山基紀 サウンド・ストーリー』(ソニー・ミュージックダイレクト)をリリースしたばかり。

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