【桂春蝶の蝶々発止。】大阪人にとって徳川家康とは? 大河で松潤が主役も…何から何まで東京発信「一極集中の基礎をつくった人」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

大阪人にとって徳川家康とは? 大河で松潤が主役も…何から何まで東京発信「一極集中の基礎をつくった人」

 2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の主演を、昨年末に活動を休止したアイドルグループ、嵐の松本潤さんが務めることが決まりました。大河ドラマファンとして、大いに期待しております。

 一方で、私は上方落語家で大阪出身。今回は「大阪人にとって、徳川家康とはどんな人なのか」を率直に書きつづってみましょう。

 まず、家康は「東京一極集中の基礎をつくった人」という見方があります。1600年、関ケ原の戦いで石田三成が負けてなかったら、大阪の天下は続いたでしょう。都は京(京都)で、大阪は現在の横浜よろしく、「首都感」の中で楽に生活できたはずです。

 政治や経済、文化の中心は関西で、東京なんていまだにタヌキしか住んでない、ど田舎だったことでしょう(苦笑)。

 話を芸能界に移しますと、大阪芸人はまず大阪で売れて、もう1回、東京で売れなければならない。「東京からスタートすればいいじゃない」という人がいますが、「お笑い至上主義」である大阪で認められないと、東京に行く権利がないという空気があるんですね。

 野球に例えると、「メジャーに行くなら、日本でブイブイ言わせてから行けよ」という、あの空気に似ています。

 これも元はと言えば、家康が三成に勝ったから、こんな空気ができてしまったんですよ。

 「もうちょい、三成が頑張っていたら関西が中心だった」「小早川秀秋があそこで裏切らなければ、スカイツリーは大阪に立っていた」「ディズニーは、きっと尼崎あたりにできていたはず」「でも、通天閣しかないのが、われわれの現実なんだ」…。つ、つらい!

 大阪は日本の2番手と思われているでしょうが、実際は違う。東京に隣接する神奈川、千葉、埼玉の方が、何をするにもチャンスは多いです。

 何から何まで東京発信…この地域格差は大きい。「上方落語より江戸落語の方が上」とか素人みたいな雑誌に書かれるし、IT社長みたいなチャラチャラしたヤツから「どっからきたの、君?」とか聞かれ、「大阪です」と言うと、「あ、西なんだ、へぇ~っ」って、めちゃバカにされたような言い方をされる。

 私が「社長はどこからですか?」と聞くと、「俺? 岡山だよ」と言いやがったので、「おまえ、俺より西やんけ」と、言いかけましたで、その時は(笑)。

 ここまで書いたら、家康のことが嫌いなのか、というと、嫌いにはなれない。数多の苦難を乗り越えて、平和な世の中をもたらした家康の人生から学べることは多い。それを国民的スター、松潤さんがやるとなれば、これは必見ですな!

 しかし! NHKには、いまだに関ケ原の始末に苦しむ大阪人の悲痛な叫びをくみ取って、ドラマをつくってほしいと思います!(笑)

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

関連ニュース

アクセスランキング

×