【エンタなう】前向きな気持ちになれる快作 80年代に渡米した韓国系移民を熱く描く、映画「ミナリ」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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前向きな気持ちになれる快作 80年代に渡米した韓国系移民を熱く描く、映画「ミナリ」

 韓国系アメリカ人2世、リー・アイザック・チョン監督の自伝的映画「ミナリ」(公開中)が、アカデミー賞6部門で候補に挙がっている。1980年代、農業で一発逆転を狙った父親に振り回される移民家族を厳しい試練が待ち受ける。それでも明日はやって来る-という気持ちになれる快作だ。

 韓国系移民のジェイコブは、米アーカンソー州の高原に家族を引き連れやってきた。荒れた土地にトレーラーハウス。「話が違う」と憤る妻モニカの心配をよそに、夫は荒れた土地を開墾し、少年のような夢を語る。しっかり者の長女アン、病弱だが好奇心旺盛な弟のデビッドは大自然に抱かれた土地になじんでゆく。間もなく、毒舌で破天荒な祖母が同居、デビッドの夜尿症を「ペニスがブロークン」と笑い飛ばす祖母との間に不思議な絆が生まれる。

 水は干上がり、作物も売れない。ハラハラしながら気がつくと、この一家に感情移入している。小津安二郎的な家族愛、スピルバーグ的なノスタルジーで「大草原の小さな家」を撮ったような熱い親しみを感じる。

 伝説的韓国女優、ユン・ヨジョンが演じる祖母が、タイトルにもなっているミナリ(芹=セリ)を植える場面は象徴的。たくましく根を張り、2度目の収穫が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きる-という意味が込められている。アカデミー助演女優賞は確定的といいたくなる出色の演技を見てほしい。(中本裕己)

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