【エンタなう】アカデミー賞「大トリ」の番狂わせ 名優アンソニー・ホプキンスが認知症を体現する「ファーザー」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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アカデミー賞「大トリ」の番狂わせ 名優アンソニー・ホプキンスが認知症を体現する「ファーザー」

 これが大御所のオーラというべきか。第93回アカデミー賞は、大トリの主演男優賞を83歳のアンソニー・ホプキンスが、認知症を“体現”した「ファーザー」(14日公開)で、かっさらった。ロサンゼルスの会場にその姿はなく、プレゼンターのホアキン・フェニックスが名前を読み上げ、短めの拍手があった後、あっさりと中継番組が終わった。尻切れトンボの異様な余韻の中、「ファーザー」がかえって気になった。

 コロナ禍で2回目のアカデミー賞には、「こうあってほしい」というシナリオがあった。

 距離を保ったキャバレー風の会場で名優たちはマスクを外した。「映画の本番と同じ。われわれは全員ワクチンを打ち、カメラが回っていないときはマスクをしている」と出席者は話した。

 中国人女性監督による「ノマドランド」が作品賞と監督賞を受賞。しかし、中国からの公式な祝福はなし。「ミナリ」で助演女優賞を得た韓国人女優、ユン・ヨジョンは、製作会社の一員として映画にかかわったプレゼンターのブラッド・ピットを「どうしてもっと早く(現場で)出会えなかったの」と皮肉った。見せかけの“アジア重視”が透けて見えた。

 作品賞がセレモニーの最後を飾るのが通例なのをあえて、主演男優賞としたのはワケがある。昨年8月、43歳で早逝したチャドウィック・ボーズマンが、遺作「マ・レイニーのブラックボトム」で受賞することが最有力視されていたからだ。

 そんな“筋書き”に抗ったアカデミー会員の選択。受賞の瞬間、ホプキンスがいた英ウエールズの自宅は朝4時。エージェントによると就寝中で、後にご当人はSNSで「83歳でこの賞を受賞するとは、本当に思っていなかった。とても感謝している」とコメントした。自身の父親が亡くなったときを思い出して演じたといい、「命が美しいものに思えてきました。家具に当たる日の光のようにね」と映画のHPで明かしている。(中本裕己)

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