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【ぴいぷる】四足走行で人類最速! いとうけんいちさん「山でイノシシと間違えられて銃口を…」 (1/2ページ)

 「位置について、よーい」の段階で、変則的なクラウチングスタイル。スタートの号令とともに二足で飛び出したかと思うと、すぐさま四つんばいでトラックを猛スピード。スポーツの秋とはいえ、一種異様な光景に、通りすがりの中高生から「何あれっ」と仰天の声が上がるが本人はいたって大まじめ。

 実はこの人、四足走行の100メートルで15秒71、ギネス記録のタイトルホルダーなのだ。

 「動物を見れば分かりますよね。人間も同じで、本来、四足で走った方が速いんです」

 いまやライフワークのこの走り方。もちろん、ここに至るまで駆け足で、というわけではなかった。

 小、中学と勉強に身が入らず、興味が向くことを片っ端から試す、その繰り返し。何となくサルに魅せられ、「サルっぽい」ナインティナインの岡村隆史にあこがれ、まずはお笑いの世界へ。

 「岡村さんは、サルっぽくあられるじゃないですか。岡村さんのようになりたいと思ってブレイクダンスも始めました」

 お笑いでテレビに出演、ブレイクダンスでアマチュア大会優勝とそれなりの結果は残すが、「どれも飛び抜けた才能がなく、これでは一番になれないと思って。『何か自分の武器をつかんでくるわ』と周りに伝えて20歳のころ、ニューヨークに旅立ちました」。

 現地での“修行”は、もどかしさとの闘いだった。

 「『まだ誰もやったことがない何か』をつかめば、自分の武器になると思って、縄跳びの新しい跳び方を探ったり、逆立ちしながら何かできないか考えてみたり」

 1年が過ぎ、苦しみ抜いた果てに「これだっ」と電気が走ったのが、またもやサルだった。

 「動物園に行ったときにパタスモンキーというサルを見つけて。それがすごく速かったんですね。後で調べたら、霊長類最速の生き物で、その動きに合わせて走ってみたんですよ。そしたら速く走れて、『もしかして四足走行の才能があるんじゃないか』と」

 だが、そんな競技、どこにもない。どうすればと考え、競技としてギネスに承認させることを目指した。

 それからというもの練習に次ぐ練習。3年の放浪期間に区切りを付け帰国してからは、一段と没頭した。

 「動物と同じ筋肉をつけるには、日常的に四足歩行するのがいいと思って、街中でも四足で移動してました。でも、めちゃくちゃ通報されるんですよ。通報を受けた警察から『また君か』と言われたり」

 通報などかわいいもので、「知人の山小屋で練習したことがあって。山小屋に着いて、(周辺で)練習を始めたら、ガサガサと音が聞こえて。何かなと思ったら、銃口を向けられてたんですよ。『イノシシかと思ったよ! 何やってるの』って。それ以来怖くて合宿はしてないです」。

 並行して、イギリスのギネスワールドレコーズに、新競技として世界記録の挑戦を申請するが、門前払いが続く。

 「新たな競技なのでハードルが高く、5~6回はプレゼンしました」

 競技を始めて5年経ったある日、いつも通り練習から帰ってきたとき、「メールをチェックしたら承認の連絡が来ていて、めちゃくちゃうれしかったですよ」。

 晴れて2008年9月、ギネス記録に挑戦。初めて刻まれた人類の四足走行世界記録は100メートル20秒28で、2カ月後には18秒58に縮めた。

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