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【ぴいぷる】90歳で再び“世界最高峰”へ 冒険家、プロスキーヤー・三浦雄一郎「単に冒険スピリットが人より強いだけ」 (1/2ページ)

 ■死を意識したこと?10回以上あります

 日焼けが残る赤褐色の頬を汗が伝う。片足で3キロのアンクルシューズに、さらに2キロのアンクルウエートを装着。街中では、これに30キロの荷物を入れたザックを背負って歩き回る。4年後の90歳、4度目となる世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登頂を狙っている。

 「前哨戦として来年1月、アコンカグア(南米大陸最高峰6962メートル)へ再挑戦する予定です。さらにそのトレーニングとして数度、富士山をゆっくりとしたペースで登り降りする。エベレスト行きが本当にできるかどうか、アコンカグアで最終的に判断するつもりです」

 70歳以降、5年おきのエベレスト登頂では、二男、豪太さん(49、慶応大学特任准教授)の心身両面のサポートが成功につながった。

 なぜ山に登り続けるのか。しかも、富士山やエベレスト8000メートル地点からのスキー滑降など誰もが考えつかなかったことにもチャレンジしてきた。

 「不可能だ、クレージーだと人は言います。でも僕は誰もがやっていないことをやりたい。で、1つを達成すると、次の高次元のものに挑戦したくなる。そんな“限界突破の法則”に導かれて今日まできただけなんです」

 サラリと言ってのける。

 一歩間違えば…の世界。死を意識したことは?

 「10回以上はありますか。その1つが1977年2月の南極、無名峰(2400メートル)からの滑降。ブリザードと大雪崩に巻き込まれたんです。とっさに小学生のとき父に習った『雪崩が起きたらスキー板を外して…』という救難の鉄則を思い出した。なぜかそのとき、このまま助かったらぜいたくな人生だと思った。『ぜいたくだぁ、ぜいたくだぁ』と心で叫んでいるうち気を失い、気がついたら山盛りの雪の上にあぐらをかいて座ってました」

 ■単に冒険スピリットが人より強いだけ

 九死に一生を得て、85年には世界7大陸最高峰でのスキー滑降を達成する。だが、これで目的を失い、リタイア気分に。不摂生な食事の末、おなかはぽっこり、生活習慣病になった。当時、山岳スキーヤーだった父の敬三さんは白寿(99歳)の記念にモンブラン(ヨーロッパアルプス最高峰4810メートル)の氷河滑降を計画。豪太さんも五輪選手への道を着々と切り開いていた。

 「突然2人に強いジェラシーを感じました。『よし、それなら僕は70歳でエベレストのてっぺんに登ってやるぞ』と。滑降はしたが山頂は極めていなかったですからね」

 最初は500メートル級の山でさえ息切れする始末。が、コツコツとレーニングを重ね、制覇してみせた。

 だが80歳の登頂の際には下山にヘリコプターを利用し物議を醸した。当初、標高6500メートルのキャンプ地点から十数時間かけて下山の予定だったが、頂上からの下山中、疲れがピークに達し、アイスフォール(氷の滝)が気温上昇で溶け出し、非常に危険な状態だったという。

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