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【ぴいぷる】『トリセツ』で育む社会性 人工知能研究者・黒川伊保子さん「日本に社交界をつくりたい」 (1/2ページ)

 「マニュアル車を滑らかに運転しようと思ったら、必ずクラッチを踏むじゃないですか。それと同じように女性には共感が必要で、共感してもらうことで気持ちを切り替える、つまりギアチェンジをしているんです」

 妻やパートナーとの関係を円滑にするため、世の男性に求められる「共感」をこう説明する。

 大学卒業後、コンピューターメーカーで人工知能(AI)を研究していた1980年代、男女で脳に違いがあることを発見した。

 最近では、男女で異なる脳の働きに起因するトラブルへの対処法を紹介した著書『妻のトリセツ』(講談社+α新書)が大反響を呼んだ。昨年10月に発売されると13週連続の重版を記録し、14刷10万部のヒットとなっている。

 同書を読むと、夫婦関係に悩む世の男性には、まさに目からウロコともいえる妻への接し方が記されている。「妻という存在について、あまりにも夫たちが知らないので、妻の脳の中で、どんな電気信号が起こっているから何をすればいいのか、という取扱説明書です」と語る。

 同書では、冒頭で紹介した「共感」という行為の必要性に加え、負の感情に伴う体験記憶の引き金である「ネガティブトリガー」の減らし方、その逆の「ポジティブトリガー」の作り方を紹介している。

 「女性の場合には、自己と子供を守らないといけない。これから先の人生で危険な目に遭わないため、怖い思いやひどい思いをしたことは忘れないようにできているわけです。だから、ネガティブトリガーはゼロにはできないんです。ネガティブトリガーを引かせる隙がないようにし、ポジティブトリガーを作り、それをうまく引くことが大事です」と話す。

 夫婦トラブルで、妻が何に怒っているのか分からず、途方に暮れる夫たちは多いだろう。そんな男性に向けた危機回避術をまとめた同書に対しては、「やってみて劇的に妻が優しくなった」という反響が多く寄せられていると説明する。

 今回の本では男女間の脳の違いが説明されているが、年齢や母語、時代でも違いがあるという。具体的な例として、ドイツ語を母語とする人の特徴について、次のように解説してくれた。

 「例えば、ドイツ語の場合、規則正しいうえに息を使うから、脳の中で何を言うのかを考えないと話すことができないんです。そうすると目的意識がはっきりするわけです。だから、目的志向がすごく強い。ドイツ人の規則好きはドイツ語から来ているんです」

 忙しい日々を送るなか、趣味として社交ダンスを41年続けている。目標を聞くと、「迎賓館で舞踏会をやることです。日本に社交界をつくりたいんです」という答えが返ってきた。

 「社交界がある社会というのは、人と人が通信をするための共通言語があるわけです。例えば、女性は察してくれるとうれしいけれど、社交界のない日本では、察するということをいちいち考えないといけないのが大変なんです」

 社交界のある欧州では、「レストランで女性が座る前に男性が座るなんてことはありません。4歳の子供でもしてくれます。お母さんからそういうことを習って身につけておけば、些細(ささい)なことで彼女をむかつかせなくなるわけです」と話す。

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