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【ぴいぷる】時代切り開く“行動する哲学者” 小川仁志さん、AI登場で「どんな人生を選ぶか、選び上手な人が生き残る時代に」 (1/2ページ)

 行動を伴う思考実験「公共哲学」という“道具”を携え、混沌とした今の時代を切り開く哲学者にして行動家。教育から町づくりの現場まで、自在に身軽に駆け回る。

 そんな中、近年よく問われるのはAIのこと。いわく「どこまで進化するのか」「(AIが人間にとって代わる)2045年問題=シンギュラリティは本当に来るのか」-。

 「哲学者ハイデガーも言っている通り、そうした声は、将来に対する漠然とした不安を反映したもの。AIをよく知らないことからくるマイナスの感情ですね」とまず一言。

 「AIはこれからも進化するだろうし、シンギュラリティも訪れるでしょう。それは1990年代、パソコンが私たちの生活に入り込んできたときと同じです。ごく自然にその居場所を広げ、どんな疑問にも正解を出すAI先生が登場するかもしれない。それでも人は、尊厳を持って暮らすことができる。だから質問に対する私の答えはYESでありNOなんです」

 AIには人と異なる明らかな弱点があると断言する。計算しかできない▽本能・感情がない▽経験の蓄積がない▽柔軟性がない▽意志がない-など。究極は、行動する体がないことだ。

 だが二足歩行可能なAIロボットが登場するのでは?

 「それは単なる形状、デザインに過ぎません。AIは部品の塊なんですよ」

 人間は「思考」し、喜怒哀楽の「感情」につき動かされ、体を使って「行動」する有機体だ。この場合の行動とは「まずAI時代の到来を受け入れ(開き直り)」「蓄積した知識を応用(創造)」し、「AIが生み出した富を享受する(行動)」こと。

 例えばビジネスマンなら有給休暇をフルに使って趣味に没頭してもよく、ドライバーならニッチな観光ガイドに転職するのもいい。そもそも部品と有機体を同じ土俵に載せ、うんぬんすることがナンセンスだという。「それに」と続ける。

 「思考・感情・行動の3要素を併せ持つのがまさに『公共哲学』の考え。それはAI登場で人生の選択肢が確実に増えていく時代を生き抜く方策なんです。つまりは、どんな人生を選ぶか、選び上手な人が生き残る時代が来ると思います」

 元は大手商社マン。台湾・台北支社勤務時代、1994年の陳水扁氏が選出された市長選を体験した。その際、台湾の印象について現地のテレビ局から意見を聞かれた。出演し、「謎の島」と言ったつもりが発音が同じため“迷える島”という字幕がテレビに出てしまった。後にブーイングとともに支持者らに取り囲まれた。そのとき考えた。

 「なぜ彼らはこんなにも熱い。私も新人のころは社会を変えてやると熱い思いに燃えていたじゃないか」

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