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【ぴいぷる】“七色の神秘”に魅せられて オーロラ写真家・田中雅美さん「場所、四季…状況によってまったく異なる表情」

 天空にオーロラが一気に広がる現象をブレークアップ(オーロラ爆発)という。

 「ブレークアップを見てしまうと、もう、その魅力から逃れることはできません」

 20年前にオーロラの“魔力”にとりつかれた写真家はしみじみと語る。

 集大成ともいえる写真集「極光の彼方 リアルタイム・オーロラ」(廣済堂出版)を刊行した。オーロラの作品集としては、5年前に発表した「極北の絶景パノラマ・オーロラ」以来、2冊目だ。

 「夜通し消えることのないオーロラ、空を真っ赤に染めるオーロラ…。一口にオーロラといっても無数の種類がある。場所、四季、気温や湿度。そのときの状況によってまったく異なる表情を見せてくれます」

 マイナス30度を超えるカナダの酷寒地帯に通い続け撮影した。

 16歳の頃、父にもらったレンジファインダーカメラで風景を撮り始めた。やがて被写体は人物へ変わった。デビューしたばかりの「キャンディーズ」だ。デパートの屋上やコンサート会場へ出かけた。「ランちゃん(伊藤蘭)のファンでした」と照れ笑いを浮かべた。

 プロカメラマンを目指し、東京の写真専門学校に入学。写真を始めた初心に戻り、ネイチャーフォトを撮り続け、12年を費やし、1996年、野生のヤマセミを追った写真集「山翡翠」を刊行した。

 18歳から自宅の暗室でカラー現像まで手掛けていたが、デジタル写真が登場。「デジタルなど写真ではない、とやる気を失い写真家を辞めようと思った」と打ち明ける。だが、「一緒にオーロラを撮らないか」と師匠、門脇久芳さんに誘ってもらい、37歳で運命が変わる。以来、北極、アラスカ、カナダなどで年100日以上をオーロラ撮影に費やす日々を送る。主力機もデジタルへ変えた。

 世界的なオーロラ写真家の地位を築くが、3年前から沖縄で野鳥を撮り始めた。主な被写体は絶滅危惧種カンムリワシだ。

 ワシは超望遠、オーロラは超広角レンズで撮る。「望遠の画角2度から250度の広角まで。極北と南国での両極端の撮影で、カメラマンとしての視野が一気に広がった」と更なる創作意欲を燃やしている。(ペン・波多野康雅 カメラ・須谷友郁)

 ■田中雅美(たなか・まさみ) オーロラ写真家。1961年2月13日生まれ。58歳。埼玉県出身。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業後、自然写真家として活動。98年、「STUDIO REBONT」設立後、“北緯60度以上”の自然撮影を始め、オーロラ写真家となってキャリア約20年。

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