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《zak女の雄叫び お題は「改」》変わる出勤風景、久しぶりの網棚

 改元の5月1日、約3年半にわたって過ごしてきた北海道から東京本社に異動となった。引っ越し準備が終わらず、御代替わりの感慨に浸る余裕はほとんどなかったが、まさに人生の転機が「改元」と重なった。

 連休明け、3年半ぶりに通勤のため朝のラッシュ時に東京の地下鉄に乗った。しばらく乗っていると、ある違和感に気づいた。

 札幌は200万人弱という人口を有しているが東京の地下鉄のラッシュ時の混み具合とは雲泥の差だった。身体を密着するようなラッシュは経験したことがない。東京で感じたのはまず「ラッシュはやはり混んでいる」ということだが、一番の違和感は荷物を乗せる網棚だ。

 実は、札幌の地下鉄には網棚がない。それに慣れていたから久々の東京で、シートの前に立つと目に入る網棚の存在がちょっと新鮮だった。

 網棚がない理由として、札幌市交通局のホームページでは「よくある質問」の回答に「他都市の地下鉄やJRとは異なり、各線とも都心部までの乗車時間が比較的短いこと及び荷物棚上の忘れ物を防止する目的から荷物棚を設置しておりません」としているが、記者が実際に、電車事業所で取材した際の答えは、忘れ物防止といった側面もあるだろうが「網棚をつけると今の車両の壁を補強しなければならず、重さが増えてしまうから」だった。

 札幌の地下鉄は世界でも珍しく、車輪が鉄ではなく、ゴムタイヤだ。もちろん日本では唯一。

 札幌市営地下鉄は、昭和47年(1972)年の札幌冬季オリンピックに合わせて整備され、地上高架で走る部分があり、騒音が少ないタイヤが選ばれた。また、路面電車の代替として地下鉄の駅間距離が短く、登りもあり、加速減速がしやすく登りにも強いタイヤが選ばれたという。

 タイヤのついた台車の上に車両が搭載されており、車両が重くなるとその分タイヤのすり減りも早くなる。予算に直結し、簡単に網棚をつけるわけにはいかない。

 こんなことをつらつら通勤中に考えるのは、東京生活が2週間も経っていないというのに札幌のまちが恋しくなっているからだろう。

 「住めば都」というが、「住めばふるさと」。はや“帰省”できる日を心待ちにしている。(杉)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。5月のお題は「改」です。

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