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《zak女の雄叫び お題は「選ぶ」》路上のバンクシー

 覆面の芸術家、バンクシーを知っているだろうか。昨年10月に、イギリス・ロンドンでの競売で、「少女と風船」の絵画が落札直後にシュレッダーで自動的に細断されたことで、日本でも大きな話題を呼んだ。また、東京都内で見つかったネズミの落書きが、「本物では?」と都庁で展示されたことも記憶に新しい。

 バンクシーはイギリスの南西部ブリストルの出身で、そこを中心に路上でのグラフィティ(落書き)アーティストとして、活動を始めたと言われている。ゲリラ的な落書きが“罪”なことからか、その正体を知る人はほとんどいない。現在も世界中にグラフィティアートが存在するが、ブリストルには特に多く存在する。

 ブリストルに次いでバンクシーの作品が多く残るのが、ロンドンだ。5月にロンドンを訪れる機会があったので、実際にグラフィティアートを見に行ってみた。

 イギリスでは国民的な芸術家だからか、ネット上に多くバンクシー作品の場所がまとめてある。全部が全部、本物だという確証は持てないが、ものは試しでひとつずつ訪れてみた。バンクシーは公式のホームページとインスタグラムのアカウントを持っており、そこに掲載されると本物ということになる。今回11個の作品を見ることができたが、ホームページに掲載されているものもいくつかあった。

 黒人を身体検査する白人の警察官、消費主義にとりつかれたように買い物かごとともに落下する女性、地面に這いつくばりストローで薬物の粉を吸い込む警官など・・・。ポップな図柄だが社会的なメッセージが込められ、考えさせられるものがほとんど。ゲリラ的に描かれる落書きなので、昼間でも人通りの少ない場所が多かった。キャンバスとなる壁は、廃墟ビルやアパート、住宅の塀、公園など。

 興味深かったのは、落書きの“状態”だった。バンクシー作品の多くに、透明なアクリルパネルが貼られ、ほかの落書きで上書きされないようにしてある。おそらく建物の所有者がバンクシーだと知り、取りつけたものだろう。また、作品を壁ごと切り抜いて、ガラスのケースに入れ私有地に展示するものもあった。

 残念だったのは、見に行ったものの、すでに落書きが存在しなかった場所。落書きがあったであろう壁がベニヤ板で覆われ、「ここにバンクシーあり」と誰かがメッセージを書いたものがあったり、建物がすでに工事で無くなっていたり。

 路上のアートなので気軽に見ることができるが、古い建物に出現することが多く、その寿命は長いとは言えない。もし見てみたい人がいたら、早めに訪れることをおすすめする。(水)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。7月のお題は「選ぶ」です。

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