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【ぴいぷる】子孫に送る、国を築き守った日本人の姿 百田尚樹さん「日本国紀」 盟友・有本香氏がベストセラーの秘密に迫る! (1/2ページ)

 「僕、日本史の本を書こうと思うんやけど、どう思う?」

 作家、百田尚樹さんからこう訊かれたのは一昨年の夏だった。私は即座に「ぜひ、お願いします。百田さんの書かれる日本史なら、私が真っ先に読みたいので、よろしければ編集を手伝わせてください」と申し上げた。

 このときから、畏友の一人だった百田さんの編集者という新たな役割ができ、約1年半後に『日本国紀』(幻冬舎)が上梓されるまでの間、伴走させていただいた。

 『永遠の0』や『海賊と呼ばれた男』の著者が書く日本史なら、日本人のための、まさに「ジャパン・ファースト」の歴史の本となるに違いない。こう期待したのは私だけではなかった。『日本国紀』はおかげさまで、昨年11月の発売から約2カ月で60万部発行のメガヒットとなった。

 百田さんが日本史を書こうと思い立ったきっかけの1つは、かねてから交流のある、米カリフォルニア州弁護士、ケント・ギルバート氏との対談だった。

 「対談のときに、ふと、ケントさんに『アメリカの歴史教育はどんなものか』と聞いたのです。するとケントさんが『アメリカの歴史教育は、それを学んだ子供たちの誰もがアメリカを好きになり、アメリカに生まれたことを誇りに思う、そんな教育です』と言われたんです。それを聞いて、なんと素晴らしいことかと思いました。父祖の歩みを知り、感謝と尊敬の気持ちを持つ。僕らの国にも、そんな歴史の本があればいいのに、と思ったんです」

 しかし実際には、日本の巷にそんな本は少なく、一部の歴史教科書を見れば、自虐史観どころか、どこの国の教科書かわからないような、ひどいものが目につく。

 「思うような本がないなら、僕が書けばいいんだ、と思ったんです」

 と、百田さんはケロッと言ってのける。百田尚樹という作家は、50歳でのデビューから12年間、「連作しない」「同じジャンルのものは二度と書かない」という高いハードルを自らに課してきた。『永遠の0』で戦争を描いたかと思えば、『モンスター』では複雑な女性の心理を描き、『影法師』では時代物に挑んだ。

 ジャンルを超えてヒット作、名作を次々に生み出す筆力は、まさに天才のそれだが、その天才を持ってしても、2000年に及ぶ日本の歴史を書くのは容易ではない。それでも、「やってみよう」と前向きに決意し、即取り掛かるのがいかにも、百田さんらしいところだ。

 過去に読んだもの含め、600冊をゆうに超える史料をもとに、1200時間以上を執筆に費やした。1日10時間を超えるすさまじい集中力はまさに超人的だった。

 「僕は小説家だから、史実をもとにした父祖の物語を書きたかった。どこの家にも『家族の物語』があるはずです。『あなたのおじいさんはこんな人柄で、こんな立派な仕事をしたんだよ』といって語り継ぐような。でも同時に、ちょっと呑んだくれることもあったけどね、という失敗談もある(笑)」

 「『日本国紀』では、今の歴史教育が教えない先人の偉大な業績を知らせると同時に、失敗や日本人の弱点も書きました。単に、日本素晴らしいと称揚するだけの本ではないのです。いかにも、われわれの先祖らしいなという失敗を知って、今後に生かすことも重要ですから」

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