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【ぴいぷる】“歴戦の猛将”が語る極東の安全保障 前米海兵隊第3海兵遠征軍司令官、ローレンス・D・ニコルソン氏 「世のため日米関係のため、尽くさねば」 (1/2ページ)

 ■ニコルソン氏のインタビュー詳細は『月刊正論5月号』に掲載

 トランプ米政権で「唯一の大人」といわれ、同盟国から絶大な信頼を得ていたジェームズ・マティス前国防長官(退役海兵隊大将)は、戦場で一度も負けたことがなかった。そのマティス氏が最も頼りにし、強い絆で結ばれていたのが海兵隊第3海兵遠征軍(沖縄海兵隊)の前司令官、ローレンス・D・ニコルソン退役中将である。

 将官には「スマートな政治将校タイプ」と、「訓練第一、戦場では猛将となるタイプ」がいるが、彼は後者だ。

 極東における海兵隊の配置は、北朝鮮と対峙(たいじ)する韓国には司令部要員がいるだけで、主力部隊は沖縄にいる。有事に真っ先に駆け付け、上陸作戦の指揮を執る立場のニコルソン氏は2015年9月から18年8月までの沖縄勤務の半分は韓国に出張し、連絡調整をしていた。

 ところが、昨年6月のシンガポールでの米朝首脳会談以来、米韓合同演習は相次いで中止か規模縮小となった。今年2月、ベトナムでの米朝首脳会談は決裂したが、流れは在韓米軍は撤退の方向、在日米軍もいずれは縮小かもしれない。

 これまで、米国の「核の傘」の下でノホホンとしてきた日本には、深刻な事態が進行している。合同演習の中止・縮小で、軍の練度は下がり、即応能力は減少する。

 「極東の安全保障は大丈夫なのか?」と、しつこく質問したが、ニコルソン氏は「心配は不要」「米韓合同演習『フォール・イーグル』など大きい演習は、マスコミ効果を狙ったショー的要素があり、実質は変わらない」と明言した。

 そうだと良いが…。

 猛将は、沖縄の基地問題について「在日米軍と自衛隊の基地統合」という持論を展開した。

 青森・三沢では、米空軍と航空自衛隊が、神奈川・横須賀と厚木では、米海軍と海上自衛隊が同じ基地で協力関係にある。山口・岩国でも、米海兵隊と海自の航空隊が連携している。

 本土でできることが、なぜ沖縄ではできないのか。これでは、太平洋戦争終結時と変わらない。沖縄の米軍と自衛隊は基地を統合すべきだ。「ウィリアム・ハガティ駐日米国大使や、小野寺五典前防衛相、沖縄県知事に何回も言った」という。

 イラク戦争が激しかった2004年、マティス氏は少将で同国に派遣中の第1海兵師団長の任にあった。現在、四軍のトップ、統合参謀本部議長であるジョセフ・ダンフォード大将は、准将で副師団長、ニコルソン氏は大佐で同師団の第3部長だった。

 マティス氏が帰国した1カ月後の同年9月、ニコルソン氏は第1海兵連隊戦闘団長に就任、イラク激戦地のファルージャに赴任した。その当日、武装勢力が米軍宿営地に122ミリロケット弾を撃ち込み、ニコルソン氏の左肩が吹き飛んだ。呼吸困難になり、気道を確保するため、若い海兵隊員がニコルソン氏ののどを切った。ドイツ経由で“大統領の病院”として知られるベセスダ海軍病院(ワシントン郊外)に緊急搬送され、尻の肉を肩に移植する手術を受けた。

 モルヒネで意識もうろうとしているとき、枕元に上官のマティス氏がいるような気がした。翌日、ナースに確かめると、「ハイ、ジェームスという方が枕元で何時間も本を読んでいらっしゃいました」と答えた。

 ニコルソン氏の目から涙があふれ、「この人に、どこまでもついていくぞ」と誓ったという。

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