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《zak女の雄叫び お題は「改」》熱狂できる改元

 新しい時代「令和」が幕を開けた。正月のように改まった気持ちだ。令和グッズに大型連休とお祝いムードが盛り上がっている。

 新元号が発表された4月1日の熱狂はとりわけすごかった。記者はその日、産経新聞号外の配布員に加わり、張り切ってJR新橋駅前のSL広場前にタクシーで到着したのだが、広場を埋めた人々がドア前に殺到。予想を超えた光景に目を疑った。

 やっとのことでドアを開けると、そこはまるで満員電車。袋から号外が出せない。悲鳴と怒号が飛び交う中、次々と手が伸びて号外が奪い取られていった。無残にも破れてしまったり、何人かが将棋倒しに転倒してヒヤリとしたりする場面も。過去に何度か号外を配っているが、ここまでの状況は初めてだった。 

 平成の幕開けを振り返ると、中学生だった記者には昭和天皇が長いご闘病の末に崩御され、世の中がうち沈んだという印象のほうが強い。

 実際はどうだったのかと当時の紙面をたどると、昭和64年1月7日早朝、産経新聞は「天皇陛下ご危篤」の号外を発行。午前6時33分の悲報を受け、午前9時ごろに「天皇陛下崩御」の号外が配られた。そして、夕刊で「新元号は『平成』」を伝えている。

 夕刊には東京・有楽町で号外を配っている写真もあったが熱狂はもちろんなく、皇居・二重橋前の玉砂利で泣き崩れる人々や、派手な広告が消えた新宿駅など哀悼の様子を主に伝えていた。

 一方で、新時代への人々の期待や、新元号がどう受け止められたかも、もちろんちゃんと報じられていた。明けて平成元年1月8日の朝刊には、改元8分後に生まれた「平成っ子」に、平成の入った伝票印刷やハンコなど特需の記事。「いい時代になってほしい」と話す、名前が平成の男性もいた。

 新元号の印象について、作家の林真理子さんが「ぱっとしないし、地味、盛り上がりに欠けますね。昭和に比べてありがたみが少ない印象です。おしゃれな元号にしてほしかったですね」などと辛口談話を寄せていたのには思わず笑ってしまった。林さんは、令和の決定過程で政府が意見を聴いた有識者懇談会のメンバー。今度こそ納得いく元号となったに違いない。

 元号は発祥した中国にはすでになく、改元に熱狂する日本の様子が興味深く報道されているときく。服喪とともにあったかつての改元と違い、今回は手放しで新天皇陛下の即位をお祝いできる近代にない機会だ。存分に盛り上がり、新時代のスタートを喜びたい。令和が良い時代となりますように。(ゆ)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。5月のお題は「改」です。

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