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女性に対して問答無用の「ブラ検査」…金正恩氏「薬物問題」の本気度

 北朝鮮当局が、覚せい剤など違法薬物の取り締まりをいっそう強化しているもようだ。

 本欄でもすでに言及したが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮当局は違法薬物の取り締まりのためとして、列車で移動する人々に対し異例に厳しい検査体制を敷いているという。

 (参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」

 RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、「荷物を検査しても何も出てこないのを見ると、保安員(警察官)たちは着ている服をすべて脱ぐよう強要した。いくら何でもやり過ぎだ」と語っているが、こうした厳しい検査は女性に対しても例外なく行われているようだ。

 「女性に対しては『下着に薬物を隠しているかもしれない』として、ブラジャーを外させてまで検査している」(情報筋)

 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

 北朝鮮当局がこのような強硬な姿勢を取り始めたのは、それだけ薬物の蔓延が深刻化しているからだろうが、その背景には国際社会による経済制裁があるかもしれない。

 国連世界食糧計画(WFP)と国連食糧農業機関(FAO)は、北朝鮮がここ10年で最悪の食糧難に陥る可能性があるとしているが、これについては懐疑的な見方もある。だが、事実がどうあれ、北朝鮮国内では今後、飢える人々が増加する可能性が高い。

 なぜか。経済制裁によって貿易が難しくなり、海外から流入するキャッシュが激減しているからだ。北朝鮮の配給制度は事実上、崩壊しており、人々は日々の糧を市場で購入しなければならない。ところが、経済制裁による不景気で、現金収入を得ることが難しくなっているのだ。

 そこで、それでも蓄えのある人々に現金を吐き出させる手っ取り早い商売として、薬物の取引に手を染める人々が増えているとの情報があるのだ。

 (参考記事:「男女関係に良いから」市民の8割が覚せい剤を使う北朝鮮の末期症状

 北朝鮮当局はこれまでにも、拷問や公開処刑など強硬な手段を駆使し、覚せい剤乱用の抑え込みを図ってきた。

 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

 それでもはかばかしい成果は上がらなかったわけだが、最近の列車での取り締まりの厳格化は、薬物の流通を分断し、ビジネスとして成り立ちにくくしようとするものなのかもしれない。

 この薬物問題とて、その原因は独裁体制にあるわけだが、何ら責任のない後の世代のためにも、撲滅に向けた当局の取り組みが進展してくれることを願わずにはいられない。すでに「手遅れ」を指摘する声も聴かれるが、この問題に限っては、金正恩党委員長の本気度に期待したいものだ。

デイリーNKジャパン

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